ブッククラブニュース
令和5年
12月号新聞一部閲覧 追加分

読み聞かせについて⑦ 3歳〜

 1歳から読み聞かせをしている子は3歳過ぎるとおもしろいほど物語にのめり込むことが多いです。親としては、読み聞かせしてきたのだから「当然のこと」と思うかもしれませんが、1歳のころの読み聞かせを思い返してみてください。あんな単純な絵本からもう大人自身が「おもしろいな!」と思えるものを分かって、楽しめるようになっているのです。
 最初の読み聞かせからたった2年・・・多くの子どもは大人と自由に会話ができ、意志の疎通さえもちゃんとできるのです。子どもの成長のあまりの速さにおどろくばかりですよね。
 3歳代の絵本の特徴は、確実に順を追って進むストーリーで、展開がけっこうあるお話、読み聞かせた後に楽しくなる結末・・・という絵本の3要素がじゅうぶんに入っています。
 物語絵本は、これから後のすべての読み物の出発点ともいえます。配本選書しているものは個別に季節に応じ、また月齢に合わせたものです。特定の分野に偏ったものは入れてありませんので、順次、配本を楽しめるように読み聞かせていってください。
 先月までの「2歳の読み聞かせ」に説明してありますが、なるべく好奇心、関心が特定のものに向かないように・・・「物語のおもしろさ」を味わえるようにすることが読むポイントでした。くりかえしになりますが、絵本の楽しみは、描かれる世界を子どもが「体験」するものです。
 頭の中でもいいし、真似て遊ぶ「ごっこ」でもよい。子どもにとっては、その世界は「現実」なのです。この体験がある子とそうでない子の差は大人になって大きく違ってきます。 予想ですが、ここまでデジタル全盛の社会は、その「非現実性」で壊れていくと思います。子どもたちは、その後を生き延びねばなりませんから、その準備はしておいたほうがよさそうです。3歳代の読み聞かせはひじょうに重要なものです。冊数より回数・・・何度も読んであげてください。

感染症は怖い!

 感染症は昔から人と人の交流が大きくなるとかならずいっしょに新しい感染症が登場した。日本史だけ見ても神話時代でも崇神天皇の時代に流行病で民の半分が死に絶えたとありますが、この天皇が日本を支配下に置くために遠征を行った結果、地方病のようなものが広がったか、帰化人から流行が始まったか、大昔でも感染症は怖い病気だと思われてきました。
 そして、歴史にはっきり残っている感染症の最初は、遣隋使、遣唐使がもたらした天然痘。秀吉が朝鮮から持ってきた梅毒、幕末にはペリー来航でコレラ、大正時代には海外進出でスペイン風邪、そしてインバウンドのさなかに起きたコロナ・・・この見えない敵にいつの時代も大人から子どもまで脅かされます。天然痘はなんと千年も脅威でありつづけた感染症です。
 とにかく感染症は未知の新しいものも含めて赤ちゃんや子どもにとっては恐ろしい敵でもあります。

Dr.Sawadaの🍓通信

新生児が身につけてゆくこと(2)
感染症とのおつきあい

 胎内から胎外、新生児期に出会う感染症は数多くあります。
 それに対抗するために胎内では胎盤を通って、胎外、新生児期にあかちゃんに移行するという免疫物質が準備されていますが、効果が限定的でほとんど役にたちません。
 新生児期の赤ちゃんは免疫に関してはほとんど無防備です。おとなの免疫の仕組みは時とともに強力に、いろいろな免疫方法が組み合わされて自然免疫、獲得免疫などのネットワークを作っています。
 新生児はそのネットワークの恩恵を受ける、ほんの入り口にさしかかったばかりの状態です。周囲を取り巻くたくさんの病原体にとまどいますが、まずは接触をできるかぎりしないように注意するのが親の役目でしょう。
 新生児のママはひたすら周囲の風邪ひきさんから遠ざかって、ベビーを守ってください。まずそこから始めることでしょうね。

本を読むと運命を変えられる?

 2ケ月も長い間ご迷惑をおかけしました。10月、11月の新聞やプログラムで遅れを出してしまい、大変申し訳ありませんでした。なにしろ9月25日の配達中、交通事故でちょっと大きなケガをしてしまい、2か月も病院で治療とリハビリでした。
 悪運が強いというか、閻魔大王にも嫌われているというか、さいわい、あの世とはまだ縁がないようです。もちろん「じごくのそうべい」は本ばかりでなく原作の落語「地獄八景亡者の戯れ」もDVDでしっかり聞いています。セリフを暗記しているくらいです。閻魔さまを困らせるくらいは超カンタン。
 さらに「蜘蛛の糸」は小5のときから熟読していますから、お釈迦さまをダマすくらいの頭はできてます(笑)。こうなれば悪運を幸運に変えるくらいたやすいもので、極楽にも地獄にも「来なくていい!」と言われてます。本は読んでおくものですね。なにしろ運命も変えられますから・・・・。
 大変だったのは、仕事です。ゆめやのおばちゃんは閻魔大王並みに怖いのです。病院の早い消灯時間を気にしながら仕事をかたづけ毎日手渡していました。零細店はつらいよ〜!!です。
 手書きの原稿を娘に渡して代打してもらうと誤字脱字など校正不十分になり、11月号ニュースは印刷締め切り間際だったので校正もできず、変な文の記事ができてしまいました。おわび申し上げます。HPの新聞閲覧では10月・11月号を大幅に手直しておきましたで、後日そちらをお読みください。
 いずれにしろ、この秋はご迷惑をおかけしました。なんとか病院から逃げ出しましたので、今後ともよろしくおつきあいくださいませ。

本で人生を変える・・・

 人生を決定するような本と二度出会ったことがある。十八歳のときに偶然その本に感じるものがあって、内容をなんとかつかんで、生き方の一部にしたいと思った。かなり難解な歴史学の本で、実際、その考えと方法は、ゆめやの骨格となっている。五十年後でも「そういうことだったか!」と新たな理解が出る本でもある。そんな本に早くから出会うには、それなりの力をつけておかねばならない。40年前には配本の到達点でもあるモモにも出会った。
 人との出会いも同じだが、ろくでもない人間と知り合うとろくでもないことが起きる。良い関係が築けるような人と出会わなければ良い人生は送れない。同じことは本との関係でも言える。
 絵本を読む親の中には「この本はウケたが、こっちはダメだった」などと細かく言う人がいる。こういう人は、本を実利的に考えている人で、一生のうちに影響を与える本がそうは多くないことがわかっていない。「本との出会い」とは、数百冊の中でようやく出会う一冊だし、いくら読んで行っても出会えない不運もある。子どもの本が「ヒットした」or「しない」は、子どもが喜ぶか喜ばないかという低次元な話で、生き方を決める本との出会いという大きな視点が欠け落ちている。絵本の段階では人生を変える本には出会えないと思う。もっともっと読んで高校か大学、あるいは成人後に出会うのがふつう。それもたくさん読んできた結果の出会いである。
 無駄が多ければ出会う確率が高くなることを知るべきだと思うのだが、合理的に手っ取り早く出会いたいという欲の裏には良い出会いや素晴らしい発見はない。重要な発見に出会うために、気は遠くなるような計算をし続けた数学者たちと同じことで、やはり、何かをし続けることで、その向こうに良い出会いが用意されているのではないだろうか。



(2023年12月号ニュース・新聞本文一部閲覧) 追加分



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