ブッククラブニュース
令和4年
12月号(発達年齢ブッククラブ)

2022年12月および年末年始の予定の予定

定休日は日曜、月曜、祝祭日です。
 年末年始休業は29日〜新年5日までです。
 休業でも30日までは在宅している場合は、配本は渡せます。
 事前にお電話ください。外出しているときもあるので。
 ★冬時間の営業となります。通常日の営業時間は午前10時30分〜午後6時
 受け取りの方で午後6時以降に来てしまった方は電話かピンポンで呼び出してください。在店していますので店を開けます・・・・ご遠慮なく。
 【コロナ対応について】
 12月はひじょうに感染者が増え始めましたが、実情はインフルエンザ状態なのでお子様のマスクの着用は強制しません。国の対策がどういうわけか状況にあっていないので。今回は8波ですからもうちょっとの我慢でしょうか。通常日は飲み物のサービスしていますが、込み合ってきたらお出しできないことも・・・・土曜日は特に。

発送会員の方に

 郵便振替の際に ATM でお支払いをお願いしていますが、手数料こちら持ちにも かかわらず、日本郵便は振り替え手数料を振り替えるお客様からも取ります。ちょっとひどい。
 で、手数料軽減 の方法として「ゆうちょ銀行」の口座をお持ちの方は、ゆうちょ銀行から振替口座「絵本 専門店ゆめや」00400-6-7649 に直接振り替えると手数料が軽減されます。通信はできませんが、ご連絡やお便りはメールでお願いします。
 振り込んだことをメールでお知らせいただけば、お礼の返信はします。ご面倒をかけて申し訳ありませんが、銀行振り込みやゆうちょ銀行の方法も試してみてください。
 ゆめや店主 12月1日

サンタクロースは来るかな?

 あっというまにカレンダーは師走。でも12月初旬は、暖かな日が続いています。クリスマスはホワイトクリスマスになるでしょうか。クリスマス!親は大仕事です(笑)。
 子どもが小さいころ「言うことをきかないとサンタは来ねぇぞ!」と言っていましたが、これはまさにナマハゲの逆で「悪いことをしているとナマハゲが来るぞ!」の裏返し。日本人の親なんてこんなものです(笑)。
 ああ、いそがしい・・・から、ゆっくりへ・・・。
 なにしろ、切支丹伴天連ではないものですから、12月24日はサンタクロースさんが世界中に物を配る日。まあAmazonのハシリみたいな人ですが、子どもにとっては異常に人気があるので、親としては大変です。親もAmazonの配達員のようなことまでまでやらねばなりませんから・・・。ただでさえ忙しい12月に子どものために奔走するのは疲れます。
 そんなこんなであわただしい師走ですが、イヴは静かに鶏の足でも食べてゆっくりしましょう。

私の好きなクリスマス絵本

 今月は、会員の皆さんへクリスマス絵本をたくさん配本しますが、たくさんあるクリスマス絵本で「個人的に好きな本は?」というと、第一位はレイモンド・ブリックスの「さむがりやのサンタ」です。私は、この人の考え方が好きで、かなり自分好みで選書している本のひとつです。
 最初から会員全員に入れていますが、あるとき一人のお母様からクレームがきました。
 「こんなにグチや不平をこぼしながらプレゼントを配るサンタは嫌いです。もっと子どもに期待をいだかせる人でないと・・・」でした。なるほど真面目な方はそういう目で見るのか、と思いました。きっと、何事にも頑張り屋でパーフェクトを目指すお母さんだったんじゃないでしょうか。
 やはり、そういう方には生真面目なサンタさんが似合うと思います。人間は真面目でなければ人ではないとも言われるわけで、私のようにタガが緩んでいるとすぐにさぼりたくなりますので、痛いお言葉でした。

もう少しのんびり生きないとね

 私などは「さむがりやのサンタ」そのもので、さむがりはもちろんのこと、グチも不平もタラタラ、40年間、本を配り続けてきました。
 でも、私はこの本のサンタが人間的で好きなんです。ブリックスの書いた文を読んでいると、さらに、サンタもブリックスも好きになります。
 あまりのクソ真面目さ、几帳面は人をゆったりさせませんものね。根本が真面目なら、四角四面な生き方をしなくていいと思うのです。
 日本で真面目に生きなければいけないのは、わけのわからないことを言って悪事を働いている議員の先生たちだけ。そんな人たちの言うことをきいて、羊のように生きるのは嫌ですよね。
 この国では、私たちの真面目さが、そういう不真面目な悪党に利用されて、甘い汁を吸われるだけですからね。
 ゆったり生きれば先も見える。ブリックスの「風が吹くとき」は先が見える人の傑作でした。もうすこし、ゆっくり、ゆったり、ゆとりある生き方をしないと、あっという間に子育ての時間も人生も終わってしまいます。子どもとクリスマスを過ごせる時間はわずかです。なによりもつながりを大切にしましょう。つながりを持たない人は金があろうとなかろうと、最後は孤独なものですから。

2023年・ゆめやのカレンダ―

 毎年、本数限定でお得意様向けのゆめやの名入りカレンダーを作っています。
 これまでのデザインはヨーロッパのお城や町並みでしたが、今年はマチュピチュの風景です。いつもと同じ材質の不織布で畳半分くらいの大型カレンダー。温暖化で「高山に都市をつくらねばならなくなるのか」、それとも「誰もいなくなった」になるのか・・・、2023年は、大きな分岐点なので、この絵柄を選んでみました。わずかながらですが店頭頒布もします。本数はあまりありませんので先着順で無くなり次第販売停止です。価格は@500円です。居間でも玄関でも、この絵柄ならピッタリです。

Dr.Sawadaの🍓通信

 いまでも夜更かし朝寝坊なのですが、若いころはマージャン(勉強ではない)で2晩徹夜ということをよくしました。三日目はもう頭が動いていない状態。眼を閉じた瞬間に寝てしまうことも経験しました。しかし、二日間寝っぱなしに寝ると元に戻る。
 規則正しい生活がいいのか、不規則でもちゃんと寝ていれば問題ないのか・・・わからないのですが、睡眠はおろそかにしてはいけないとは思います。とくに子どもは最低でも8時間くらいは寝た方がいいのではないでしょうか。頭の働きが鈍くなるのは困りますからね。
 さて、澤田先生が面白い事例を教えてくれました。

③胎児から成人までの睡眠

(2)眠らなかった少年

 眠らずに世界で一番長く起きていた世界記録保持者は、1964年末に264時間という記録を作ったアメリカの16歳の高校生、ランディ・ガードナー君です。彼はクリスマス休暇の自由研究のテーマに「断眠」を選びました。
 1964年12月28日の午前6時に目覚め、その後翌年にかけて一睡もせず起きていました。2日目になると怒りっぽくなり、体調不良を訴え、記憶障害も見られました。集中力が無くなり、テレビを観ることも難しくなり、4日目には妄想と疲労感、7日目には震え、言語障害、11日間の断眠後眠りにつき 15時間眠り、23時間覚醒し、更に10時間半眠り、1週間後には完全にもとの生活リズムを取り戻しました。
 後遺症は見られなかったそうです。
 さらに後半数日間は、スタンフォード大学の睡眠研究者ウィリアム・デメント博士がランディ君の断眠状態を観察し、この実験の客観性の評価を確実にしました。自己主張だけでは客観性が証明できませんからね。
 日常あり得る睡眠不足時には、ほんの数秒の睡眠(マイクロスリープ)が脳の機能を維持すると考えられます。眠りには、脳の機能を保護する融通性があるんですね。(ニュース一部閲覧)

聖夜に開く3ページ・・・・

 若いころ、トロイの遺跡を発見したハインリッヒ・シュリーマンの本を読んだことがある。
 かつては神話は古代人がつくりだしたおとぎ話、酷い場合は妄想の産物とまで言われたことがある。しかし、トロイの遺跡発掘は、戦火の跡まで残っているなまなましいもので、何千年も前のことが事実であったことを証明してくれたのである。
 私たちも中高校の歴史では、「神話は、古代人の作り話」と習ったが、トロイの発見は「神話が事実だったこと」を証明したのであるから、ここは変えなければならないだろう。昔話は、神話的表現なので虚構と思われがちだが、事実が描かれているのは間違いない。このトロイ発掘がその証拠である。
 これはイリアスやオデッセイアだけではない。おそらく世界の神話と言われるものはすべて事実を描いたものだったようだ。例えば一番不幸な神話は我が国の「古事記」と「日本書紀」である。戦前は皇国史観の主軸になる物語として使われたため、戦後は手痛い批判を受け、ありもしない空想として否定されてしまったのである。津田左右吉らはまったく認めなかった。
 しかし、弥生時代からの古墳はあり、金印をはじめとする金属系の青銅器文化などを見るとまるっきり架空の話とは思えない。さらに古事記、日本書紀は現存地名の山である。この神話も事実を反映させた誇大的な表現の実話と言って差し支えないだろう。 さて・・・・・

1ページ目はトロイの木馬

 さて、トロイの話は、いまコンピュータ・ウイルスの名「トロイの木馬」にも適用されているように、じつに有名な説話だ。なかなか落城しないトロイ城に奇計を使って兵士を入れた木馬を城内に入れ、攻め落としたダマシ戦法を記したギリシア神話のエピソードなのである。
 シュリーマンは、幼いころ、ホメロスの「イリアス」を父親から読み聞かされ、やがて「おとぎ話ではなく実際にあったことだ」と確信する。そして自分が掘り出してやろうと思ったわけだ。
 問題はどこを掘ればいいか。彼は物語の中の話にヒントを探す。
 ギリシアの英雄・アキレスがトロイの勇者・ヘクトールを城を回って追いかけて倒す。「城を何周回るか?」、「かれらの時速はどのくらいか?」・・・これがわかれば、城の円周も直径も割り出せる。アキレスはアキレス腱に羽が生えた高速の神・・・現代人ならおとぎ話で無視するが、シュリーマンは早足の男と考えた。そして、幕末の日本に来て、飛脚の足の速さを測定した。これは彼の著書「古代への情熱」に詳しい。
 きちんと計測した彼は時速15〜20kmと算出。その後数回の失敗を経て、ようやく目指すヒッサリクの丘を掘り始める。
 そして見事、トロイの遺跡と財宝を発見することになる。神話は、現実だったのだ。これ以後(シュリーマン以後と呼ばれる)考古学は神話を無視できなくなっている。ところが、日本では皇国史観につながるという警戒感から神話はきちんと教えられない。まったく不幸な話である。きちんと読めば、皇国史観の言う「万世一系」などということはなく断絶を数回しているし、天孫降臨も天からではなくきちんと海を越えてやってきたことが文章からうかがえるのである。だれか日本版シュリーマンになる子どもはいないかな。

2ページ目はノアの箱舟

 私はキリシタンではないが、たまには聖書を読む。新約より旧約がおもしろい。生々しい人間の物語が多いから、かなりおもしろい。例えば、ノアの箱舟・・・創世記に載っている。これも荒唐無稽な神話だと思われがちだが、実際にあったと思うようになった。
 「洪水が来るぞ!」というノアの予言を聞かずに、したい放題のことをやっていた人々が洪水に呑まれるのだが、世界中が洪水になるというのはありえない!と現代人は思う。だが、昔の人は見えるところ全部が「世界」なので、チグリス・ユーフラテス川が氾濫すれば見渡すかぎり水。見た人は「世界が海になった」と思うことだろう。この話のポイントは警告を無視した人は悲劇を経験するというもので、調子づくとロクなことはないという「戒め」なのだろう。

3ページ目は十戒

 戒めといえば、有名なのは「十戒」だ。こっちは出エジプト記のおはなし。エジプト王に支配されたユダヤ人を英雄モーゼが、神通力で海を割り、故国に逃がすというもの。映画にもなったくらいで、聖書物語ではかなり重要なエピソードだ。
 ところが、助けてもらって自由になったらユダヤ人は、これも調子づいて、デタラメをし始める。金銀財宝を集め、ぜいたくなものを食べ、邪教の神を拝んで、倫理も道徳も無視してやりたい放題。人間関係は壊れて争いばかりになる。
 親が子を殺す、子が親を殺す。ほしいものがあれば人を殺してまで取る。姦淫はする、盗む、騙す、偽る・・・まさに何でもありの世の中にしてしまう。
 そこで神が怒り、禁止事項を電撃で石に焼き付けたのが十戒。これをモーゼが民衆に投げつけて叱るわけだ。「汝、殺すなかれ」「盗むなかれ」「姦淫するなかれ」「騙すなかれ」・・・・などと。

過去あったことは現在にも未来にもある

 ところが、この話を読んでいると「え、これって今の日本じゃぁないの?」と思う。キリスト教世界だけではなく、戒めの多くはやってはならない人の道。
 これだけ戒めを無視する人々が増えれば世の中は大混乱になって壊れる・・・・そんな兆しがこの国でも見えてきました。
 おどろくほど「選良」と呼ばれる人が劣化し、嘘をつく、偽る、人倫を外れたことをする、欲を?く・・・・まるで出エジプト記状態です。
 神話や叙事詩はかつて起きた事実が描かれたものでしょう。警告を無視してやりたい放題をすると子どもたちが悲惨な時代を生きることになってしまいます。いま、気を引き締めるのは大人の役目だと思うのですがね。

気を付け! 例! 直れ!

④やはり無理な子も・・・、残念!

 先月末、以下のようなメールが届いた。小5の会員のお母さんからだった。
 *******************
 ゆめやさんへ
 朝晩は冷え込むようになってきました。
 いつも配本をありがとうございます。

 ところでゆめやさんを退会しようと思います。
 子供が全く本を読まなくなり、
 届いた本は袋から出しもしなくなりました。

 小さい頃は戦隊モノにも興味をしめさず、
 読み聞かせが大好きな子供でしたし、
 1人で読むこともしていましたが、
 最近では全く本を読まなくなりました。
 いつからこうなっただろうか。
 思い返すと、
 学校からChromebookを1人一台
 与えられYouTubeを見始めた頃から
 だと思います。貸与されたもので、自分
 の物ではないのですが、学校帰りや宿題
 をやるために開いて…等々
 YouTubeを見る機会は管理してもどうしても
 増えてきました。

 子供が小さい時に読み聞かせした本の裏表紙
 にはその時の子供の反応を書き込んだ絵本もあり、
 見ると懐かしくなります。
 よい思い出です。ありがとうございました。
 *******************
 本が読めなくなって退会する子のほとんどは中学年(小3,小4)で、一人読み移行の失敗や習い事などのスケジュール過密が原因である。
 しかし、小5ともなれば長い本も読んできたわけだし、本離れする子はあまりいないのがふつうである。だから、この退会の理由を読んで私にはちょっとショックだった。最後の部分では涙が出た。
 前にも書いたように識者が言う「時間で管理して・・・」という通り一遍のご指導の効果などはまったく期待できない。それはゲームやスマホ依存の管理規制はムダで、ほとんど管理の効果はないという結果は出ている。
 もちろん、すべての子がのめり込んで依存になるわけではない。だから逆に困るのだが、いまや依存になる子は激増しているのだから、学校も文科省もそのへんのことをもう少し踏み込んで対策を立てるべきだろう。
 もともと本など読まない子は、周囲の環境が鈍感なので心配もしないし、ことデジタルに関しては放任だ。
 しかし、このご家庭のように小さい時から本に触れてきて、自分からも読んでいた子が突然、youtubeにハマり込むというのも悲しいものがある。それだけ、デジタルは人を魅了する魔力を持っているといえるだろう。コロナ以来の不登校の激増とタブレットなどへの依存は関係がないのだろうか。
 入るを拒むこともあり、去る者はまったく追わないゆめやだが、こういう読書挫折は残念でならない。数年後、十数年後でもいいから、この子にまっとうな本が読める機会が来るのを祈るばかりである。

「本とともに過ごしてきて」

 石川県金沢市 Mさん  長女Sさん(中2) 次女Kさん(小6)
 月日が経つのは早いもので、我が家の次女もあと数か月で小学校卒業を迎えます。
 次女は生まれてから4回の引越しと3度の小学校転校を経験しました。人懐っこい性格でしたので、きっと大丈夫だろうとあまり心配せずにいましたが、高学年での転校は少し苦労をさせてしまった様です。
 住む土地が変わるのは期待も膨らみますが、それなりにストレスレベルが高く、戸惑いながらも家族でどうにか支えあってまいりました。
 それでも3度の転校を乗り越えられてきたのは、ずっと共に過ごしてきたゆめやさんの配本の支えがあったからだと確信しています。
 読み聞かせでみせたあふれる笑顔、集中して読む眼差し、夢新聞を姉妹で読み、イラストをみて笑う姿。振り返ってみると大変だと感じた子育ても、すべてが愛しい記憶として手繰りよせる事ができます。
 運動も苦手であまり目立たない性格ですが、本とともに心を駆動し積み重ねてきたしなやかさが彼女の魅力です。いつの日か、お世話になった友人と大好きだった街に会いに行くことを親子で心待ちにしています。
 ゆめやさん、私ども家族を支えてくれてありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。

《ゆめやより》

 甲府でお嬢さん方と会っていたのはまだ小学校入学前、妹さんはまだ2歳くらいだったような気がします。それから岩手に・・・数年前にご転勤先の二戸・天台寺へお招きいただいて、大きくなったお嬢さん方と再会出来ました(左写真がそのときのもの)。
 ご長女さんの人懐こさと妹さんの物静かな話には感激したものです。天台寺は瀬戸内寂聴さんが住職の由緒あるお寺ですね。長期の修復工事をされていました。お誘いがなければ一生見られなかったでしょう。それから二度もお引越し・・・いろいろ大変だったと思います。
 でも、自分の考えを確立でき、自分は間違えていないという信念が出てくれば、周囲の圧力にも屈することはないと信じています。また、一回り大きくなったお嬢さん方ともう一度会ってみたいと思っています。



(2022年12月号ニュース・新聞本文一部閲覧)

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