ブッククラブニュース
令和4年
1月号(発達年齢ブッククラブ)

2022年1月及び2月の予定

休業日は日曜・月曜、今月は臨時休業はありません。  営業時間は冬時間、午前10時30分〜午後6時まで。
 受け取りの方で午後6時以降に来てしまった方は電話で呼び出してください。店を開けます・・・・。
 【コロナ対応について】
 オミクロン株が急速に拡大しているという報道があります。おそらく第五波でピークに達し、弱毒化していると思われます。スペイン風邪の末期と同じかもしれません。予防は大切かと思いますが、過度に怖がる必要はなくなったようです。でも、風邪と同じでひかないことに越したことはありません。とりあえずご来店の際は、今まで通りの対応をしていきます。
 ①お子様のマスクは強制しません。
 ②マスク着用はお顔が判別できないので、お名前をどうぞ。
 ③土曜日は客数に応じて飲み物サービスは行います
 ④土曜日は密になったら、飲み物サービスは中止いたします。
 ⑤次の来客があったら、恐縮ですが入れ替わってください。
 ⑥念のため毎回テーブル消毒・換気もしますが気になさらないでください。
 ⑦恐れ入りますが、混雑したらぜひ新しいお客様に席をお譲りください。
 ⑧事前にご連絡いただけば、2〜3ケ月分は用意できます。
 受け取り可能時間(10:30am〜18:00pm 冬時間)です。
発送切り替えも可
 発送も可能です。その際は県外会員と同じく3ケ月一括発送になります。
 ご利用ください。発送のご相談は メールでも受けつけます。
 お振り替えは郵便ATMか銀行振込のどちらかをご利用ください。
 ご理解のうえご協力ください。ゆめや店主 1月5日

あけましておめでとうございます

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます 2022年元旦
 年末から年始にかけて、寒波に襲われていますが、北日本、東日本、また北陸地方の会員の方々は雪で大変なのではないでしょうか。どうか、雪害には気を付けてお過ごしください。
 皆様のご家庭ではどのようなお正月を過ごされたのでしょうか。何事もない穏やかな一年になりますようお祈り申し上げます。ゆめやも今年は5日から回転しましたが、寒い日が続き、さすがにお客様の出足もいまいちで、初日は3人のご来店で終わりました(笑)。まあ、その意味では静かで穏やかなお正月になっています。
 毎夜、マイナス5度、6度となると外出も嫌になり、風邪を引かないように閉じこもってはいますが、その分、運動不足になります。さむがりやのゆめやとしては「北海道や東北には住めないな!」などと思いながらお正月は震えていました。

年賀状をありがとうございました

 たくさんの会員の方々から今年もたくさんの年賀状をいただきました。ありがとうございます。立春まで店頭に展示しております。来店受け取りの方も、さらにまた配達の会員の方もぜひ御来店ください。多くは写真年賀状で、遠方の会員の皆様の様子も年賀状から垣間見ることができます。
 コロナに負けていない子どもたちの笑顔やご家族のほほえみがたくさん輝いています。この笑顔が消えるか消えないかは、子どもの心にどう寄り添っていくかにかかっていますね。もしかするとコロナの影響で治安の悪化や経済混乱があると思いますが、子どもの笑顔が曇らないよう親のサポートが大切になりそうな年になりそうです。
 今年も絵本の読み聞かせを通して、お互いにいろいろ考えていきましょう。ご理解とご協力を期待して年頭の御挨拶に代えたいと思います。

今年も選書に力を入れて

 この数年、良いと思われる児童書やすぐれた絵本が絶版、品切れになっている状態が続き、ここ2年はコロナでのデジタル化の波でさらに、その頻度が高くなっています。子どもたちの中で、電子画像に慣れが出て、紙の本の存在感が薄れているのも感じています。でも、まあ、それも時代の波・・・しかたないといえばいえます。児童書専門店の閉業も多くなってきています。メルヘンハウスさんの閉業はひじょうに残念でしたが、やはり「思い」というものを持つ人は少数でもいて、御子息の丈太郎さんが新たにメルヘンハウス再生にこぎつけたのには安堵しました。考えてみれば、昔から本を読む人は特定少数で、われわれは識字率の高さだけで「日本は書籍文化の国」という錯覚に陥っているのかもしれません。実際、大人の世界では「読書論」はほとんどできませんし、若者は基本的な文学をほとんど読んでいませんので、基本的な絵本の読み聞かせ、読書は特定少数のご家庭、お子さんだけになってしまっているのだと思います。
 でも、まあ、めげずに今年も新書ではすぐれた本を選び出し、どのようにお子さんの発達に即応できるかの基準を細かく刻んですぐれた本を適切に配分していくことに努めたいと思っています。これには、相互連絡も重要なことなので、面倒がらずにおつきあいくださいますようお願い申し上げます。

極寒の年末年始で

 甲府は寒い日が年末から続き、雪こそ降りませんでしたが、極寒。毎日、夜中にはマイナス6度、7度などという寒さが襲ってきて凍えています。十二月はクリスマスの本で楽しめたと思いますが、1月2月は冬の本、雪の本が配本されます。定番の「てぶくろ」もですが、なかなか味のある中堅作家の冬の本も多いです。ぜひ各年齢で配分してありますので、冬を楽しんでください。
 コロナもあり寒さもあり、おうち時間も多くなっていることでしょう。そういうときは読み聞かせに冬の絵本もいいですね。私は、娘たちに、かこさんの「だるまちゃんとうさぎちゃん」を読んでやったのを思い出しました。ゆきうさぎ・・・なつかしい響きです。雪を固めて南天の実(目)と葉(耳)でうさぎをつくる・・・最近の子はそんな遊びをしませんかね。お正月の料理にゆで卵に食紅で目を描いて、南天の葉で耳をつくってくれたおばあちゃんの姿も思い出すことがあります。こういう些細ながら伝統的な文化が急速に消えていくのは悲しいですが、いったんは没落しても、いずれまた本道に戻って少しはましな文化が新しく生まれると思います。無から有は生じないので、これまでの文化を記憶の中で蓄積しておく必要がありますね。次の次の時代のために。

盆地は寒いお正月

 ゆめやの営業開始は5日でした。毎年、新年初日の営業日にはいらっしゃったお客様に「おしるこ」を出します。例年そう何組も来ないのでのんびりした新年初日になります。今年は最初の日はなんとたった2人のお客様でした。
 こちらの地域はお雑煮でもおしるこでも丸餅は使いません。すべて角餅ですが、ゆめやもずっと角の取れない人間なので(笑)、角餅です。今年も角ばっていこうという意気込みのおしるこですが、この寒さを窓ガラスの向こうに見ながら温かいおしるこの甘さはいいものです。
 最近は洋風の「スウィーツ」がもてはやされていますが、やっぱり「甘味」がいいいですね。おしるこ、甘ダレ餅・・・日本には昔から伝わってきた甘いものがたくさんあります。「しばわんこの四季の行事」絵本などでも紹介されていましたが、お正月はキントンとか黒豆とか甘いものもけっこうあります。我が家では年末にいただいた枯露柿を使ってお菓子を作ります。まず二枚に下ろしてなかに柚を刻んだものを詰めます。それをいくつか作り、巻きずしをつくる要領でグルっと簀巻きで巻きます。二日くらいおいて輪切りにして食べるのです。高級なお菓子になりますよ。まあ、お正月は手間をかけて甘いものを食べながら、ゆっくりお休みして今年の方針を考える時でもあります。ことしは、どんな年になるか、じっくり予想しながらお子さんとの計画を立てるのもいいことです。時間に追われていると子どもはあっというまに大きくなってしますから。
 さてそこで、今年をいつものゆめやの神通力(笑)で占ってみましょうか。

壬寅は意外に平穏?

 今年は「壬寅(みずのえとら)」。たまった様々な問題のエネルギーが増大する年なのですが、何か大きなことが起こるかというと、個人的にはどうもそうではない、まだまださほどの変動はなく行くと思っています。
 「壬」に女偏を付けると「妊」・・・これは、おなかに宿る状態を示しますよね。出てくるには十か月以上かけてということになりますので、実際にたまったものが現実に出てくるのは来年頃ということでしょうか。
 宿ったものが良いものなら良い結果が生まれますが、悪いものだととんでもないものが出てくる可能性もあります。「壬」は陽気が下にさがっていくとも言われています。現在の状態から考えると、ヤンキーな気分や狂気=(陽気さ)が人々の間に広がることになるのでしょうか。テレビや世相を見ていると、かなり「飛んでいる」人々が目立ち始めました。受け狙いだけで内容がないもの、ただただ騒いで発散したいもの、その現象が来年あたりピークに達するでしょう。芸能でもスポーツ分野でも・・・社会変動が起きればそんなことをやってられませんからね。
 また、自然界のエネルギーやいろいろな社会的な問題がたまっていく状態が「壬(みずのえ)」の示すものでもあります。政治でも経済でもさまざまな問題はたまっていくのに、その「任(壬に人偏)」に当たる人が不在だったり、無能によって問題が先送りされると、その次の年(癸卯)に問題の引き起こした悪い状態が放出されるという年回りとなります。来年は「卯(う)」年です。これははエネルギーの噴出を表す年。怖いですね。12年前の東日本大震災は「辛卯」でした。「辛卯」は字の通り、エネルギーの噴出の悲劇を堪えなければならない大変な都市でした。来年の干支は「卯」、だから同じように今年より来年の方がアブナイような気がしてます。
 まあ、一番気になるのは大地震ですね。環太平洋の地殻自体が数年前から異常になっていますから。

下の方で蠢くものが・・・・

 首都圏でけっこうな規模の地震が頻発し始めていますし、首都直下地震や富士山噴火も騒がれていますね。環太平洋のマグマ活動も活発で、太平洋の中心では海底火山が動き始めています。マントルの噴き上げで、盛り上がった地殻が周辺部で沈みこもうとしているわけです。今世紀に入って顕著な傾向ですが、大きな変動は西ノ島新島から始まって徳ノ岡へ動いている海底火山。でも、これによる今年の未曽有の大変動というようなものはないでしょう。軽石被害はありましたが(笑)。ただ環太平洋全体で地殻が活発に動いているのは20世紀ではなかったこと。これはおそらく太平洋の中心部で大きなマントルの吹き出し、ゆっくりと環太平洋で沈み込む動きが出ているのでしょう。東日本大震災は、まずその最初だったと思います。当然、これからも環太平洋全体に地震、断層のずれは起きます。しかし、2023年は「癸卯(みずのとう)」です。「癸(みずのと)」は「発」にもつながりますから物事が始まる意味があり、「卯」は噴出が意味されています。「癸卯」方位としては、京都を中心として見る東、東南東ですから・・・東や南に現象が起こるということでしょうか。中央構造線沿いの地震が一番起きそうな感じですね。今年起こるとすれば北海道か中央構造線沿いでしょう。

疫病もまた

 また、疫病のコロナも抑えても抑えてもまた出てきています。弱毒化して無くなっていくとは思いますが、年末はかなりの勢力で広がり始めました。拡大の実態はワクチン製造企業の世界戦略かもしれませんが(笑)、虚実はともかく、状況は状況自体で社会現象といえます。ただの風邪でも、やはり罹らないにこしたことはありません。
 なにはとあれ対策がなかなか効果をあげてませんから、これがもたらす人々の分断、国と国とのつながりの切れ、排他的な動きの加速は問題がたまっていく様子を確実に示しています。今後が大変ですね。人の価値観が大きく変わるでしょうから。
 中国古代に「王が不徳だと天変地異が起こる」という「天人感応説」がありました。政治家がだらしがないと天と地が怒って大変なことが起こるというのもです。なるほど。どっちが先か後かはわかりませんが、なんとなく符合しているようで怖いですね。

歴史的には何度も

 記録に残る代表的なものは、崇神天皇のときに得体のしれない(古代なので)疫病によりかなりの人口減があったと日本書紀に記載されています。崇神天皇が奈良から出て全国制覇をしようとしたときです。その次は有名な天然痘。唐からもたらされた疫病ですが、藤原氏の専横と悪政によって起きたともいわれています。天然痘は治療法が江戸時代の種痘まで長い間見つからず、武家の跡取りが天然痘で(もちろん庶民も)いなくなるという悲惨な疫病で、子どもを持つ親は戦々恐々の疫病でした。
 その次は秀吉の朝鮮征伐。武士団が多く梅毒に感染しました。これを恐れて家康は鎖国をし、やはり性病をもたらした欧州人を入れない鎖国令を出したらしいのです。その次は江戸幕府が衰退期にきたときに米国のペリー艦隊が運んできたコレラです。数十万人が死んだと言われ、収束するのに数年かかりました。このおかげで攘夷運動が活発になり幕府が滅んだわけで、疫病の力はすごいものがあります。
 その次がスペイン風邪。明治の富国強兵策で外国侵出を企てているときに流行し、全国で40万人が死にました。そして、現在のCOVID19・・・今世紀初頭からの新自由主義と市場原理の中で節操なく外国とつながった結果起こったものです。中国人を中心のインバウンド拡大。豪華客船のクルーズ船から始まったというのはまさに象徴的な疫病でした。当分、収束には時間がかかるでしょう。
 急速なデジタル化も制度がどんどん変わると、ひずみがたまりはじめますから、これも来年あたりから影響が出始めて危ないですね。子どもたちも急速に変化していますよ。どこで暴発するかが問題です。半導体が売りさばけないので、税金で買うように学校にタブレットやプログラミング教育が導入されました。
 これは需給バランスを壊してまで売ろうという無理な経済ですから、いずれ・・・・破綻が。そこで気が付いても子どもたちの頭が壊れてしまったら(もう壊れつつありますが)取り返しがつきません。
 誰も責任を取らない社会というのは恐ろしいですが・・・・。

世界中がお金儲けへ

 世界が金融緩和に向くのに日本だけが相変わらずゼロ金利・・・遅れてます。インフレが来ると大変なのですが、どこ吹く風で国費で株価を支えているのは、ほんとうに危険です。国民もそこは脳天気でバブル気分になってますから、これはもう何か起きたらまたバブル崩壊、リーマンショックのように奈落の底かもしれません。最近の企業や経済活動をする人を見ていると「レモンをお金にかえる法」のような安直な一儲けばかりしているように思えるのは私だけでしょうか。
 最大の変化は、前述の人と人のつながりが切れていく現象が起こることだと思います。「寅(とら)」は「つつしむ」「たすける」という意味があって、変化を悪い方向に持って行かないように抑える心なのですが、果たしてコロナで分断された人の関係が、いつ「つつしみ」や「人助け」に向かうのでしょうかね。学校教育は競争、競争で人格や教養を高めることを止めてしまったので、ブレーキにはならないです。さて、どうなるか・・・・。どうするか・・・。

2022年を占うには

 ゆめやとしては、コロナ禍2年で、世の中のシステムや生活のかたちがかなり変わってきたことを実感しています。とくに本を取り巻く状況は激変しました。
 この2年・・・新聞やネット記事にかなり目を通しましたが、まず書籍関連の記事が激減しています。(大手紙2紙・地方紙1紙)。年間を通して見て見ると、小中学生向けの本を紹介する記事が減り、読書推進関連の記事はほとんど見当たらなくなりました。読書の秋、読書週間にも子どもの本、絵本関連の記事はまったく影をひそめました。
 つまりデジタル化の波の中で若い親御さんの子育て意識も急速に変わってきているようです。日本人の多くは世の中がそれで流れているのだから、乗らないと生きられないという強迫観念のようなもので生きています。これが同調圧力を生み、いじめを生み、格差を大きくします。
 若い人のほうがその傾向が強いというのは驚きですが、それも学校などが同じことをしないと認めないという雰囲気で運営されてきたからではないでしょうか。この結果、ひとは流れに身を任せ、時代に乗ろうとします。それもこれも仕掛けられた時代なんですけどね。
 いまや1歳児の読み聞かせをyoutubeでやるというような人も出ていて「おやおや」と思いますが、まあ、その結果がどう出るか、結果は十数年すれば出てきます、少し先?、かなり先(笑)の話です。おかしな大人ができなければいいと願うばかりです。でも、いまや、子育ての風景はかなりこういう状態になってきていますよね。「それが、あたりまえ」という状態です。
 幼い子には毎日、親の口で読み聞かせ、親の言葉で会話をしたほうがいいと思いますが、それはもう無理な注文かもしれません。その結果は20年先でないと見えてこないと思いますが、写真のような子育てをしていたら1歳から仮想現実にはまり込んで、かなり頭が変わってしまうでしょう。考えても見てください。
 最近の事件、自分の意識の中で邪魔になった相手を平気で殺してしまう人が増えています。これはどう考えてもここ二、三十年の仮想現実媒体が生み出した人間としか思えません。こんなことをしていたら、幼児ですら何をしでかすかわからないことになります。でもまあ、それは私の個人の考え。世の中は、この仮想現実を推し進める方向にどんどん進み、現実を生きるための方法や体験は減少するばかりです。

まとも、まっとう、まじめ

 かつての会員から来た年賀状を見ていると、そう思います。「大学に入った」「成人式!」「結婚して子どもが生まれた」など多様ですが、みんなまっとうで、まとも、まじめに生きている青年や成人のおたよりになっています。
 テレビに出ているような若者とはまったく違います。これは読み聞かせや読書の結果だと信じます。いきなり結びつけるのは短絡だと思う人もいるでしょうが、まっとうな本を与えて育てる家庭が生み出す当たり前の結果ではないでしょうか。アニメや漫画、ゲームだけで育った子どもは大人になってこうなるかどうかは怪しいものです。
 だから、この結果、成果を見て、いまや自信をもって、ゆめやは、今年も「固く」「辛口で」「字が多い」頑固なニュースを続けていきます。これは、またある意味、ブッククラブ側からの顧客の「選別」の手段でもありますから・・・嘘広告で商売する市場原理社会とは逆ですね(笑)。
 お正月のゆめやのショーウインドウには「かさじぞう」(赤羽末吉・作)と「たのしいふゆごもり」(片山健・作)を並べました。ほとんどのお子さんの配本にいずれかの本が入っていますが、良いことをすればその結果は出てくるという内容です。人は、体験したもので人格や考えをつくっていくので、それなりの結果は出るのだと思います。だから質の高いものを与えることが叫ばれるのです。
 近所に幼児期からずっと夕方から夜まで大画面でアニメを見ている子がいて、その子の成長をずっと見ています。いまはもう中学生で、その子の部屋は12時過ぎまで窓が明滅しています。それがアニメなのかゲームなのかテレビなのかはわかりません。ただ夕食後からずっとです。ほとんど毎日・・・・もう少し立つと結果が見えてくるでしょう。

影響は良くも悪くも

 以前、アメリカ人の子は成人するまでにおよそ5000回ほど殺人シーンを見て育つと言いましたが、いまや日本人の子も戦闘や殺人、残酷なシーンや精神病的なドラマを見て同じように育っているのではないでしょうか。事件もの、推理物、精神病的なドラマではまず殺人シーンがあります。子どもは見ない? いやいや、いまや「鬼滅の刃」にしても戦闘ゲーム(例えば未来戦争もの)にしても、人気があって何十万人もの子どもがやります。当然、影響を受けますね。11月号ニュースでも書きましたが、事件を現実に起こす時、武器一つではなく、多種類の武器を用意するわけで、これは完全にゲームの戦闘アイテムをいくつもゲットして戦うというルーチンが刷り込まれた結果です。
 このように人は見た者、環境に流されやすい動物ですから、そういうものではないない映画や物語を与えれば、善意や優しさに満ちたテーマに影響されて、そういう人間になる可能性は高いのです。それが真逆で刺激的な悪意のこもった映画や物語、精神病のような小説やドラマでは、みな同じような狂気を持たされることでしょう。画一的な価値観で教育や生活を強要された子どもは、刺激的なものに浸って自分を解放しますが、けっきょく生き方を学べないので、最近起こっているような「人を巻き込んでの自殺を試みる犯罪行為」につながります。
 人間は体験したことで行動や行為が左右される比率が高い動物なので、残酷なものを目にしたり、悪徳行為を見れば影響を受けて同じことをする可能性が高まります。また逆に善意にあふれるドラマや清冽な人間が描かれた映画や芝居を見れば同じことをする人が増加していくでしょう。「自殺」に巻き込まれるなんてまったくの大迷惑です。
 かつて江戸時代の教育は儒教が基本でしたので、全人教育、つまりは人格を磨くことが主目的でした。学識も必要だったのでしょうが、人格に重きをおいていたので、現代の狂気に満ちた殺人などの犯罪は少なかったのでしょう。
 しかし、一方で映画やTVドラマ、本やアニメが善意とか礼儀とか人情のようなものを描いたらどうなんでしょう。人間は見たものに影響されるから、そういうものに自分を投影して、そうなろうと思うでしょう。それを教育が意図的に行えば、残虐性や画一性はなくなり、まっとうな人間が出てくるような気がします。殺人シーンばかり見せられた子は、人を殺すことなどなんでもなくなるかもしれないのです。(ニュース一部閲覧)

天気晴朗なれど気温低し・・・

 温暖化!温暖化!と騒いでいるわりには、このところ日本は酷寒、極寒・・・「じつは寒冷化じゃないの?」と思ったりしますね。
 SDGsなんていうわけのわからない略語は、じつは「脱炭素のために原発を推進」なんてウラがあったりするのではないか、と最近の世界の動きを見ていると勘繰りたくなります。欲にまみれた世界のやり方ですから、何がほんとうで、何が嘘かを見抜けなければならない大変な世の中です。 
 年明けで、まずはあけましておめでとうですが、この国が「おめでたい年」になっても困ります。今年は嘘に気を付けよう!というわけです。
 膝が痛くなくなる、髪が生えてくる、糖質を分解・・・そこで、「定価4980円のところ今から30分以内に申し込めば、980円で送料無料」・・・「いったい原価はいくらなの?」と思います。すごいダマクラカシの世の中です。
 新しい年を迎えて、「とにかく、うまいことを言ってきたらフェイクと思え!」・・・これが現代を生きる知恵(笑)かもしれませんね。世界中に流布している温暖化ですが、縄文時代はもっと暖かかったんですよ。標高1000m以上のところに掘っ建て小屋をつくって住めたのですから。江戸時代はけっこう寒かったようで、それなりの厚着が流行してました。寒冷化、温暖化は流れなんですが、ヒートアイランドはエアコンとアスファルトジャングルの影響なんです。それはそのままで、温暖化、気候変動を叫ぶ裏には電気を消費したい、だから原発をつくらねば・・・という意図が見え隠れしてます。
 年末に政府の偉い人が「敵基地攻撃能力を持てるように」なんて勇ましいことを言ってましたが、その敵って、きっとミサイル持ってますよね。核弾頭でなくたって、日本に飛ばしてきたら、この国には原発が54基ありますからね。そのうち3つくらいに当たったらもう終わりなんです。そういうことはどうも考えないようで・・・考えだすとつじつまの合わないことがたくさん並ぶようです。

まじめなことは大切なこと・・・・

 新年で、これから先のことはたくさん考えないといけないのですが、わたくし的にはいろいろな矛盾が吹き出ているのに、みんなが考えないために鈍感になっているような気がします。これでは数年後が危ない。お子さんたちが大人になるころです。
 コロナも苦労してああでもない、こうでもないと頑張っていますが、行き過ぎの対策や穴だらけ対応で、「これはもうただの風邪じゃないか!」とも思いますが、ま、今年は騙されないように!ですね。
 とにかく、最近はまじめな人ほど損をする時代で、ズルい人どころか悪いことをした人も逃げ切ったり、敗者復活で再登板したり、これじゃ真面目に生きるのがバカバカしいと思えるような世の中になってしまってます。でも、真面目な人は圧倒的に多いわけで、ここはどうにかしないと、次の時代は大変なことになります。教育も学歴や能力が優先で人間性や倫理観などを無視し始めましたし。 こういう中では、ゆめやのやり方は、かなり時代遅れになってきています。この二年で、それを実感してます。
 親世代の好みや考え方が激変。なにしろ親がゲーム・アニメ世代ですから価値観が違ってきてます。読み聞かせで育った人など一握りですから、その人たちを探すのが大変なんです。

食物と観劇

 でも、そんな大多数に合わせてゆめやは業態を変えていこうとは思ってません。人と人のつながりが切れていく媒体やデジタル化にたやすく応じたら、最後は家族までバラバラになります。もう、その現象が起きているじゃないですか。いずれネット社会も良くも悪くも変わらざるをえないでしょう。そこまではどう行くか。どう耐えるか。異常な近未来になりますが、別に世界初の社かい現象ではないです。
 「パンとサーカス」という言葉を聞いた方も多いと思います。ネットのある時代ですから、スマホで引いてみてください。
 ローマ帝国が没落していくときに流行った社会風潮です。パンはグルメです。帝国の膨張で多様なものが入ってくるのですが、人々が関心を持つのは食べ物。アフリカの果物、ガリアの肉、アラビアの乾燥肉、胡椒などの香辛料、お酒・・・民の富裕はおいしいものに目が向いていきます。それからグラデュエーターで有名な剣闘士たちの戦いをコロシアムで観る楽しみです。獣と人間、人間対人間の殺し合いを楽しむのです。インスタグラムやフェイスブックだけではなくSNSにはグルメ食品・料理が花盛り、対戦ゲームもまた際限なく行われています。ローマ帝国末期とまったく同じですね。

真面目で良い人とのつながりを

 まあ、幼い子には毎日、親の口で読み聞かせ、親の言葉で会話をしたほうがいいと思います。その結果は20年先でないと見えてこないと思いますが、かつての会員から来た年賀状を見ていると、そう思います。「大学に入った」「成人式!」「結婚して子どもが生まれた」など多様ですが、みんなまっとうで、テレビに出ているような若者とはまったく違います。だから自信をもって、ゆめやは、今年も「固く」「辛口で」「字が多い」頑固なニュースを続けていきます。これは、またある意味、ブッククラブ側からの顧客の「選別」の手段でもありますから・・・嘘広告で商売する市場原理社会とは逆ですね。
 「本を与える意味」をご理解いただけるような方でなければ、とても家庭の中で質の高い子育てなどできるわけもありません。「選ぶ」ということは何でもバンバン与えることではないですし、絵本の読み聞かせは字を早く読めるようにすることでもありません。子どもを育てた結果は長い時間が経たないと出ません。やはり何らかの考え方をもって子育て環境を固めておく必要はあると思うのです。 
 最近では質の高い絵本のテーマが読み取れない親たちも出てきているのですよ。昔よりはるかに高学歴になったというのに・・・・。だから、そういう人や関心のない人、すぐに周辺情報に流されてしまう人などどうでもいいわけです。「真剣に考えて子育てする人がブッククラブ選書をご利用してくださればいい」ですし、関心のない方や見かけの楽しさ・華やかさに行きたい人を巻き込もうなどと大それたことは思ってもいません。だいいち、ブッククラブの個別システムは人数が一定以上増えればパンクしてしまうのです。画一的な配本ではなく、個別対応ですから。

これから重要な本読みは・・・・

 ここ2,3年で児童書業界もかなり変化してきています。まともな本は売れないので、品切れ・絶版が相次いでいます。基本的な本がだめなんですね。
 で、漫画なのかアニメなのかわからないような、内容がないライトノベルが小学生にも広がってきました。基本的な読書をしなければならない時期に、まともな本が読めないというのはひじょうに危険なことです。
 やはり、しっかりとしたテーマを持つ本を読んで、考え方を固めていかなければならないと思うのです。
 時代遅れと言われようと、なんであろうと、配本は世の中の流れに沿った軽佻浮薄な本は入れないことにしました。いまや、ふつうの本が月1冊ですら読めない子が増えています。次の次の時代を見据えて(次はダメになりますからね)、お子さんが大人になったときに流されないで自分の考えを持てるような配本を来年度は組み上げたいと思っています。ご理解、ご協力をいただきたいと思います。
 (2022年 まずは初頭のご挨拶まで 絵本専門店ゆめや)

 ということで2022年も始まり、ゆめやもゴタクを並べ続けて今41年。ますます世の中は悪くなっています。
 でも、こんな斜陽産業を続けてこられたのは、毎日、店で会う子どもの笑顔と皆様の対応のおかげです。笑い顔があふれた年賀状も原動力。子どもの力は大人に未来を見せてくれる大きなエネルギーですね。
 「ゆめやのニュースは固すぎる」「字が多くて読む気にならない」「辛口すぎる」というようなご批判を多々受けます。でもね、読まない人はけっきょく読みませんから。このまま突き進みます(笑) 

ながいながい会員の話・2

 で、前回の続きなのですが、冒頭で長い長い会員のか春日井市のRさんのことを書きました。そうしたら今年の年賀状に、上のお嬢さんが結婚して、「子どもができたので、また配本をお願いしたい」と書かれていました。一瞬、私は自分の寿命のことを考えてしまいました。あと12年も寿命があるかな? いや、そのまえにこんな反知性社会では書店がどこまで持つだろうか、ゆめやも消える可能性も大きいしなぁ、と。
 でも、ここ数年、かつての会員が自分のお子さん(お孫さん)に再配本するという例はかなり増えてきているのです。その一番最初は、甲斐市のA・Sさんのお子さんたちですが、すでに上のお子さんは中学生です。つまり第二世代とも12年つきあっているということです。
 それでもお母さんであるにも関わらず、私はA・Sさんと話す時は、どうしても「アスカちゃん!」と言ってしまいます。赤ん坊のころから知っているお母さんなんですからね。
 さらに、孫配本で忘れてはいけないのは東京・杉並のM・Uさん。同じく、お孫さん二人に配本していますが、Uさんは、まったく笑えるような凄いエピソードがありました。もう三十数年前ですが、甲府の中心街にゆめやがあったころ、店にいらっしゃって配本を依頼されました。でも二人のお子さんが2歳を軽く過ぎていたのでお断りしてしまったのです。
 するとですね。「じゃあ、三人目には配本してもらえますよね!」と言って翌年三番目の航ちゃんを出産してまたやってきたのです。ここまで攻められたら降参するよりないわけで、けっきょく上のお子さんも会員に、そして月日が経って、お子さんたちはご結婚して、お孫さんにまで配本・・・このUさんは衝撃的なケースですが、ふつうにお孫さんへの配本は、じつはたくさんいるのです。まあ、一番古い(笑)ケースで、おつきあいはもうちょい経てば40年になりますかね。
 Uさんはじつは学校の先生をしていた方で、たくさんの教え子の方々を紹介していただきました。その意味では前出の名古屋のSさんと同じく、今度は東に足を向けて寝られないのです。
 つまり、こうして考えると、粋がって突っ張って絵本専門店などやってきても、じつはいろいろな方々が支えてくれたということが時間が経つとわかってくるのです。「ブッククラブを巨大化しなくてよかったな」、「だからこそいまだに長く濃密におつきあいができる・・・」と悟りました。ゆめやが消えてなくなるときは世の中が悪くなったときでしょう。そこまではなんとか踏ん張ってがんばらないといけませんね。(つづく)(新聞一部閲覧)



(2022年1月号ニュース・新聞本文一部閲覧)

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