ブッククラブニュース
令和3年
9月号新聞一部閲覧 追加分

読み聞かせ・いろいろ ⑤2歳—2

言葉が耳からものすごい勢いで入っている2歳

 二歳の後半になると多くの子が親はもちろん周囲の人々との対話がスムースになっていきます。生まれてから二年ちょっと。おどろくべき成長ですが、自然な発達です。2歳前後から大脳の新皮質が活発になるので言葉に関する能力が高まり、さほど努力しなくてもどんどん本の内容を記憶してしまう傾向があらわれます。ただ、親はおどろきますよね。数回読んだだけで絵本一冊を暗記してしゃべる子も出てきますからね。これは、じつは隠された本能らしいのです。現代はともかく(いや現代もかな)、この年齢の子どもは親がいないと生きていけません。育ててもらうためには能力を発揮して認めてもらわないと生きられないので、おどろくような力を発揮するのだと言われています。だから特別なことではなく天才でもありません。たしかに親を喜ばせますが、この時期の記憶はいつまでも持たないのです。たくさんの言葉、たくさんの話を聞いてきた4歳、5歳になると、もう2歳の記憶は消えていて、本一冊を自然に暗記することなどできなくなります。でも、この能力につけこむのが早期教育屋さんです。「ほら、どんどん言葉をおぼえますよ! この教材を!」と2歳児の親に攻めてきます。
 これについては、SONYの井深社長が早期教育を唱え、「モーツアルトは3歳で弾きこなし、J・ミルは8歳でラテン語やギリシア語の古典を読んだ」などと天才の例を出してメソッドを作りましたが、失敗しました。そりゃ、当たり前です、天才ではないのですから。そんな能力を育てるより、言葉で心を育てたほうがずっと世の中のためにはなるというものです。どうかみなさん、幼児の能力開発で一儲けをたくらむ人々にひっかかりませんように(笑)。

親の期待は抑えて楽しく読み聞かせ

 早期教育論者は、2歳児の記憶力の高まりを宣伝に利用しますが、一時的な記憶にすぎないことは育ててみればわかることです。耳を通って入った言葉が大脳聴覚野へ入り、そのまま記憶されるらしいのですが、そんな早期教育的な発想より言葉が想像を伴うようになることが大切なのではないでしょうか。その能力に対して、脳のどこが働いているか(海馬や扁桃体が関わっていると言われている?)は、まだ不明ですが、その機能を高めるには子どもが安心感の持てる人の声が一番効果的なんです。つまり、安心の中で想像力が高まっていくわけですね。そういえば、「幼少期に安定した環境がなく、対話の乏しかった子どもは大人になっても物や人間関係で想像力=気配りを発揮できない」という話を聞きます。最近の「相手のことを考えない行為や犯罪」は、親がかかわらない=安心感が生まれない、そんな幼少期に原因があるのかもしれません。

バランスよく配分してありますから

 さて、言葉を把握する力は進みますが、まだまだ2歳児は展開の激しいストーリーを論理的に追う力は出てきません。同じようなことが繰り返されるスジ立てのものが、この時期の話としては適切です。生活に密着したストーリーならともかく話がころころ変わったり、おもしろいオチがたくさんある話は把握できないのです。
 配本では、この時期、なるべく繰り返しものを配分して選書してありますので、どうか先を急がずに順番に楽しんでください。また色彩や形に対する感性も鋭くなってきますので、色や形に関した絵本も入れてあります。性差もじょじょに出てきますので、男女それぞれ工夫を凝らした選書を行っています。
 ここは、いわば想像力の出発点です。何度も繰り返して読んであげてください。この想像力が、やがて遊びを通して大きな創造力に変わっていくはずですから。とにかく2歳代の読み聞かせが、その後の読み、しいては7,8歳の一人読み読書力の大きな礎になることだけはたしかです。ということは大人になって本が読めるかの分岐点でもあるのです。

関心のある方をお誘いください

 よろしければ、お知り合いの方をブッククラブへお誘いください。
 ご友人・お知り合いのお子さんで2歳未満の方がいらっしゃったら、ぜひ配本をお薦めください。ご住所とお名前を教えていただけば、こちらから左のような案内をお送りいたします。また過去一年間のニュース・新聞のバックナンバーも同送して目を通していただくようにいたします。ご紹介でなりたっているブッククラブですので、関心のある方をお誘いください。よろしくお願い申し上げます。
 みなさんがご承知のように配本プログラムはすべて個別で性別・季節対応・兄弟姉妹対応などけっこう複雑に変更が可能です。また、緊密なやりとりができるようになっています。お子様の発達に沿ってプログラムは構成されます。
 きちんと日常で、読み聞かせさえできれば、満足のいく結果が得られると思います。

お願い

 ある研究に協力をしています。子どもの健康関連情報でお世話になっている三重県津市乙部ヤナセクリニック小児科医の澤田啓司先生への協力ですが、アンケートに答えていただきたいのです。サンプルが多いほどいいです。乳児期に購入したもので、使わなかった、役に立たなかったものを挙げてください。複数回答可。ご協力をお願いしたいと思います。
 回答は・・・不要だったものを書き、できれば分類の番号を記してください。電話、FAX、メール、振替用紙通信欄なんでも受け付けます。 期間は10月末までくらいにします。お手数ですが多くの方の回答を望んでいます。詳細は今月号新聞に解答欄がついていますので、それにお答えください。

絵本・いろいろ ④ 大人好みの絵本

 絵本がブームになって以来、大人好みの、あるいは大人のための絵本が増えている。単なるかわいいものへの憧れか。それとも現代人が癒しを求めているからなのか。はてまた難しい思想書や小説が読む力がないので絵本に流れるのか、社会心理学者でもない私には原因が何かは分からない。大人・子ども、男・女など境目がなくなりつつあるけれど・・・・。
 たしかに時代はボーダーレスである。大人と子どもの境目をとやかく言うのは時代遅れかもしれない。絵本を子どものものと決め付けるのも問題かもしれない。しかし、どうも世の大人、とくに絵本好きの大人たちの嗜好が変わってきているのも事実だ。「ジャミバン(江國香織・文、アートン)」「千の風になって(新井満・文、小学館)」「償い(さだまさし・文、サンマーク出版)」、古くは「ラブユーフォーエバー(ロバート・マンチ作、岩崎書店)」・・・あたりから始まったようだ。大人にとってこういう絵本は癒しになるかもしれない。ただ、子どもにとっていいのか悪いのか。読み聞かされた子が「?」ていどならともかく、不快に思うこともなきにしもあらずである。商業ベースや売名で絵本をつくる人も多くなっている。
 絵本は小さな子どもが成長の各段階で楽しむものだ。読み聞かせボランティアたちの絵本好きを否定はしないが、「基本的な本を読んでこなかった人が子どもにどういうふうに本をガイドしていくの? 子どもだってだんだん大人の本を読んでいかなくてはならないのに・・・」と余計な心配も出る。二歳児にも五歳児にも、そして小学生にも年齢などおかまいなく同じ本の読み聞かせイベントでは、場を得て光りたいだけのパフォーマンスのような気もする、子どもにとっては迷惑な話なのでないか。

聞く子どものために絵本を選びたいものだ

 大人の絵本があってもいいことはわかるが、一般的には絵本は読書のための前段階、やがては高度な読書へ進む第一歩にすぎないと見るのは間違いなのだろうか。どこかに一定の基準がなければ与える意味もないような気がする。
 さらに問題なのは「私は子どもの本をたくさん読んできましたよ」と、したり顔の読書推進運動をする人たち。自分たちが子どものころに名作であっても、今では古びてしまったものがゴチャマンとあることがわかっていない。
 しかし、そういう人たちにかぎって「活字離れ・本離れ」を声高に叫んで押し付けてくるから始末が悪い。この国に活字や本に親しんできた歴史などないのに・・・。つまり活字や本への親しみなど初めからなかったことが、この老人たちには分かっていないのである。こんな発想で読書推進を生きがいにされたら子どももたまったものではない。
 たしかに怒涛のごとく出版される本を見ていると子どもの成長に合わせて何を選んで、どう読めばいいのかも分からないというのが選ぶ側の本音である。しかし、いま、ここで重要なことは、大人好みの絵本、老人趣味の絵本、若い親を狙った感動満載の本などを成長にそぐわない要素があるものとしてきちんと見極めることである。子どもの発達に合わせて絵本を与える。出版洪水のこの時代、子どもに正常な読書を可能にする職人が、たくさん登場しなくてはならないと思うのだが・・・・。

「本とともに過ごしてきて」

  富山市 山本さん
 子どもが生まれる時、「どんな子どもに育ってほしいか」と夫とよく話しました。2人が一致したのは、「穏やかに」「明るく」「自分の決めた道を進む」でした。素敵な縁から「ゆめや」さんを紹介していただき、これまでたくさんの本と出会いました。小さい頃は、よく膝の上で読み聞かせをし、寝る前は、布団の中で同じ本を何度も読みました。「ぐりとぐら」「14ひきのあさごはん」「みつばちみつひめ」、平和な話が大好きで、読み始めると穏やかな空気が流れました。
 今、中学2年になる娘は、ソフトテニス部に入り、楽しそうに学校に行っています。小学5年になる息子は、本と将棋と卓球をこよなく愛しています。暇さえあれば、本を読み、ステイホーム期間も楽しんでいます。2人に大好きな本を聞いてみたら、遥陽は「銭天堂シリーズ」、歩武は「番ねずみのヤカちゃん」でした。
 我が家はリビングに本棚がありますが、2人でお気に入りの本を並べて何度も読み返しています。まだまだコロナ渦が続きそうですが、心が穏やかに保てる本に囲まれていることに感謝です。長い間、ありがとうございます。

 《ゆめやより》 ほんとうに長い間ありがとうございます。人は、幼少年時代の環境が人格を決めると言います。富山は、うらやましいところ(魚がおいしい・自然が豊か)で、一度行くと病みつきになります。そういうところで子育てができるというのは、これまたうらやましいです。立山に登ったときに遠くに富山市街の美しい夜景が見えました。で、けっきょく、遠回りして行ったくらいすてきな町でした。街角に生花を飾るなんて町は見たことがなかったです。コロナが終息したらまた行こうと思っています。そのときは佐藤記念美術館1階にあるカフェで抹茶でもご一緒に(笑)。

「本とともに過ごしてきて」寄稿のお願い

 高学年の会員に「本とともに過ごしてきて」の寄稿をお願いしています。「おたより」は会員ならお子さんのおたよりでもけっこうです。原稿は500字前後。おたよりはもっとすくなくてもOKです。寄稿方法は、メール、手紙・・・なんでもけっこう です。内容はどのようなものでもかまいません。よろしくお願いします。

考える力 ④ 
考えている学校もある

 ブッククラブ会員の小学生のお母さんが「学校から渡されたものです。」と一枚のコピーを渡してくれた。その内容がひじょうにわかりやすく常識的なものだったので、ちょっとみなさんにも知ってもらおうと思って転写してみた。

睡眠時間は成績とどう関係する?

 宮城県仙台市の市立小学校に通っている小学六年生8122人を調査した「睡眠時間」と「勉強時間」と「成績」の関係に関わるデータがあります。もっとも成績がよかったのは、勉強が3時間以上、7時間から8時間の睡眠をとっている子たちです。
 《←睡眠中の脳が老廃物を流している大脳》
 おどろくことに、勉強をしっかりしていても、睡眠時間が短い人たちは成績が低いのです。
 毎日、家で3時間以上勉強していても、睡眠時間が5時間未満の人は成績が伸びないのです。勉強時間が長いから成績がよさそうなのに、家で勉強してけんめいに努力したことがテストの点数につながっていないのです。なぜでしよう。。睡眠時問が短くなると、体の細胞の中にあるミトコンドリアとよばれる機能が上手にエネルギーをつくることができなくなリ、脳の細胞の働きも下がります。また、眠っている間に、脳が前の日の学習や経験の内容を復習して、記憶としてきっちりしまいこんでいることもわかりました。  家庭での勉強時間が長くても睡眠時間が短い人たちの成績がのびない理由、反対にいうと睡眠時間が長い人のほうが成績がよい理由はここにあります。

読書習慣と成績との関係は…?

 読書習慣がテストの成績にどう影響するのかも小学五年生から中学三年生までの4万838人で調べてみました。読書をすると、脳のどのような場所が働いているのかがわかります。また、読書で成績がのびる教科と、読書をするだけでは成績がのびにくい教科があることも明らかになっています。読書習慣がある人たちは全体的にテストの成績がよいということも調査結果と脳科学からはっきりしてきました。
 ・・・・という調査結果を公表しています。昔から言われていることですが、発想力や論理性は読書で形作られることが多いようです。読書をするだけでは成績がのびにくい教科の違いを知りたいですね。音楽や体育は読書と無関係でしょうか。体育は無関係のような気がしますが。あまりスポーツ選手で本のことを話す人はいないし。音楽ではけっこう本を読んでいる人はいますね。その辺の研究も待たれるところです。

スマホの習慣で成績はどうなる?

 やはり、宮城県仙台市でスマホを持っている小・中学生約二万四千人に調査した結果、スマホの使い方、使っている時間が成績に影響していることがわかりました。
 スマホを一日に1時間以上使う人たちには、勉強していても、成績にマイナスの影響があるのです。さらに、長時間スマホを使っている人は、どんなに勉強して、必要な睡眠をとっても、テストの成績が平均に届かないという結果も出ました。スマホの長時間使用は確実に成績が低くなるということが明らかになっています。・・・これはだいたい想像できますね。小学校高学年で、スマホでyoutubeを十時間も見続けている子もいると言います。子どもに悪いものは大人にも悪いと思いますが、日本は流行りを抑えることは苦手な国ですから、この影響はいずれ甚大なものとなるでしょう。何か問題が起こっても自己責任ではたまりません。まして当事者が子どもならいまから対策を立てないと、次世代、次々世代までつながる影響になりますからね。

将来のために 傾向と対策

 脳を元気に育てることが何よりも必要です。そのためにも、すでによい習慣を身につけている人は、さらに続けていってください。もし、そうではない人は、「早寝早起きをしてみよう」
 「朝ごはんを食べよう」「勉強をしよう」「本を読んでみよう」
 「スマホの使い方に気をつけよう」で、挑戦してみてください。
 (以上が甲府市・石田小学校 配布物からの紹介でした。学校がこうした注意喚起をすればいいのですが、中には推進しているような学校、見て見ぬふりの学校さえあります。危機意識が低いと何か起きたとき無責任な逃げ方をすることも多いですから)
 この配布物は、学校から保護者に渡したお知らせですから、むずかしいことは書いてありません。的を射ていることばかりですが、問題はどのくらいの親が真剣に対応するかでしょう。
 仙台市の統計は対象人数が多いので信頼できそうです。でも、よく考えてみれば、ここで提言されているのは、昔から言われていた日常生活習慣で、 忙しさの中で日本人が、この習慣を忘れてしまったために脳の劣化が起きているような気もするのですが。

自分で考える力??
④ゲームやYoutubeがつくる「みんな同じ」

 じつは、この一年間、というよりこの春からだが、小学校高学年、中学生の会員のお母さん方から「急にオンラインゲームやYoutubeを見る時間が増えて困っている」というおたよりがくるようになった。高学年、中学生ともなればすでに読書の土台ができているので、あまり心配はしていないが、日本以上に深刻なのはお隣の中国らしい。国営新華社通信が、「精神的アヘンが数兆円産業に成長」という記事を載せた。若者のオンラインゲームへの流行と熱中である。子どもたちがゲーム画面に吸い込まれていく挿絵を使って「ゲーム依存の脅威」を述べている。
 とくに最近は、オンラインゲームに過度にのめり込む子どもが増えすぎて問題は深刻化しているらしい。近視の子どもが増えるくらいはいいとして、学業や日常生活にマイナスの影響が出ているというから深刻だ。さすがにアヘン戦争でやられた中国らしく、「電子麻薬」という言葉まで使っているからスゴイ状態なのだろう。「1日8時間もやっている子ども」などが出ていて、若者にも酷い影響が出ているようだ。政府がゲーム企業へ批判の矛先を向けたため、ゲーム企業の株価が急落したというおまけまでついていた。
 次の批判がオンラインゲーム市場に向くのではないか、という不安も出ているというから影響は大きいのだろう。この点、日本はゆるやかで甘い(?)ので安心(笑)。

Youtubeは問題かも・・・

 日本では、ゲーム依存もだが、子どもにとってYoutubeのダラダラ見は、大きな問題だと思う。大人でもYoutubeにハマっている人がいて、「これを見ろ!」「あれがおもしろい!」と話題のネタ元になって「見てごらん」と来る。そんなものを見ている暇がないので、見ることはないが、いくら良い意見や動画でも、人間は自分にとって好ましいものしか見たり、聞いたりしない習性があるので、ハマったら自己中心にしかならないから親子や友だち関係が崩れることのほうが多いような気がする。
 だいいち、Youtubeなどわかりやすい発言しかしない。一瞬で「そうだ、そうだ!」となるようにできている。そんなものが勉強の足しになるわけがない。向こうは見てもらうのが狙いだし、再生回数が多ければお金が入る、そのためにはわかりやすく刺激的に、というわけ。無責任な言動も問題にはならない世界でもある。

「プログラミング教育」が原因にならねばいいが

 依存による精神疾患の50%は、14歳までに発症するという。最近の統計を出してみると・・・厚生労働省は今年6月までの全国の自殺者数が、前年同期比12.6%増の1万784人と発表した。女性と若年層に顕著らしい。しかし、近年は子どものうつ病が深刻という。この原因にゲームやSNSはないのだろうか。報告の中の国立成育医療研究センターが行った調査によると、コロナ禍で「中等度以上のうつ症状がある子ども」の比率は、高校生30%、中学生24%、小学4〜6年生16%に上るという。この小学生16%というのは「本当かい!?」と思うほど高い数字である。
 10〜20代の精神疾患発症者が問題になったのは2016年からで、それ以前の数字はない。小中高の自殺者は2016年に289人、17年には315人、18年が333人、19年は339人と微増が続き、コロナ禍となった昨年は「479人へと急増」というグラフもあった。長引く自粛生活が引き金と言えばいえるが、子ども時代の生活の過ごし方が将来の精神疾患に大きく関わってくるといわれるからこわい。海外の研究によると、精神疾患を持つ人の50%が14歳までに発症しているという。これを引き起こす「ゲーム障害」「SNS依存」・・・、最近の刃物による殺傷事件の多くはゲーム依存世代が多くはないだろうか。

e-スポーツ?!

 通信制の「ルネサンス高新宿代々木キャンパス」というのがあるらしい。E-スポーツコースというのがあり、ゲームやり放題の授業が教科である。入学した生徒が「本当に授業でゲームができるんだと驚いた」と言っているというから、「もうこの国は終っている」という感じになった。登校は週2日だけ、ゲームの実習が授業なのだ。指導の先生は元ゲーム・プロの選手。2019年4月のコースの開設から、生徒数が急増し、初年度の10倍となる約100人が在籍しているという。ぼろ儲けでもある。金を払ってゲームを学ぶ・・・すごい時代である。
 この一方で精神科専門医たちは心配する。
 「ビデオゲームやオンラインゲームに熱中するあまり、睡眠障害や不登校などが起こって日常生活に支障が出る。課金制ゲームでは親の家計にも影響が出る。退学や失職により、引きこもりになるケースも多い」と警告するが、じつは野放しでもある。なにごとも過ぎたるは及ばざるがごとし。
 中国のようなことにならないよう、気を付けたいが、国も企業も平気。そこで生じる精神疾患は自己責任らしい。自分で考える力が、こういうところから生まれるわけがない。彼らが熱中するものはプログラム通りにやることだけだ。われわれの子どもをそこに追い込みたくないですよね。(九月号一部閲覧)



(2021年9月号ニュース・新聞本文一部閲覧) 追加分



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