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3・11東北関東大震災(緊急)

3・11東北関東大震災(緊急)

 東北日本太平洋沖地震で被災された可能性のある会員の皆様に御知らせいたします。13日現在、福島、宮城、岩手、青森のお客様とまったく連絡がついておりません。
 この甲府でも信じられないほど大きく長い揺れを経験し、まさかそれが500kmも離れた震源とは予想もつきませんでした。こちらでも余震も頻繁で、ふつうの地震でないことは感じられましたが、報道を見て、聞いて、そのあまりの状況に胸がつぶれます。
 11日には宮城、福島の会員のみなさんに電話をかけましたが、まったく通じず、メールがつながっている方にはメールで、青森、岩手、宮城、福島の会員の方々にはアナログですがハガキを出しました。通信事情が悪すぎて14日現在まったく返信がありませんが、被災しなかったことを心から祈っています。無事に避難されていると思いますが、まったく連絡がつかない状態でご家族状況の確認もできませんので、一段落したら(当分はムリでしょうが)どうか「無事だったこと」を御知らせください。

予測できなかった

 今年の年頭に今年一年の状況のおおまかな予測をしましたが、こんな大きな災害が起こるとはとうてい予測できませんでした。以下は平成23年一月号の新聞一部閲覧(こちら)からの予測文です。下段の「卯」の字のイラスト(ここにあげた字と同じ)のところの段落です。↓下にある文です。
新聞のバックナンバーでは23年一月号本文です。

 さて、今年は卯年。いよいよ卯年の予測です。
 ウサギ年は「飛躍」とか「跳躍」の年だとか言われますが、それは真っ赤な目ではなく、真っ赤な嘘。ウサギから連想した思い違いにすぎません。
 干支では「卯」の字は「門を押し開く」という字形で、行き着くところまで来た状態が門を押し開いて「矛盾や闘争や犠牲を噴出する意味を持つ」といわれています。変わるべき状態をそのままにしておくと、こうしたことが起こる確率が高くなります。
 「辛」の字は噴き出すエネルギーや力を表していますから、飛び出たらさらに危険が増します。怖いのはこの字が「殺傷」を含んでいる年だということです。大きな犠牲を伴う殺傷が起きなければいいのですが・・・・。
 しかし、実際にはまったく、こうした危険が配慮されずに、このまま行くことでしょう。

 干支について述べている文献から引用したものですが、これが三陸沖に始まる500kmにわたる世界最大級の地震とそれに伴う津波被害であることに考えが及びませんでした。核問題付きというのもまったくひらめきませんでした。起きてからでないとわからないというのは、ほんとうに残念です。自分の文献からの読み込みの浅さと連想力のなさに失望しました。
 地震や津波による犠牲は「殺傷ではなく死傷だろう」という見方もありますが、起きてみれば、これが「死傷」ではなく「殺傷」になることも分ってきました。

風が吹くとき

 また、3月14日現在、福島原発が危機的状態になっていますが、爆発の危険もあって大変です。爆発したらチェルノブイリです。その可能性は大きいのにあわてている人がいません。南相馬市の会員の方とも連絡が取れませんが、早く県外に逃げてほしいです。これは福島一県の問題ではなく、日本全体の問題・・・・というより世界規模の問題です。それなのに案の定、電力会社も原子力安全院も効果を持つ対策がないまま放射能が漏れはじめました。東京電力も原子力保安院も「絶対安全!」と豪語していたのですが・・・・原子炉が爆発したら安全もなにもないのでしょう。正確な情報を流さないところに無責任なお役所仕事を感じます。でも、欲にかられて世界一ばかり目指すとこういうことになるという悲劇的な教訓です。これは人災です。被曝は「殺傷」ですよ。科学者の保証など、こんなものです。
 東京大学の地震学教授や原子力関係の教授は「想定外の地震」を強調しますが、こんな危険なものが「想定外」のために操作できないというのは信じられないほどのバカさ加減です。想定外なら「しかたがない」とでもいうのでしょうか。プロメテウスは人間に「火」を与えたことによって、ゼウスから永久の苦しみに耐えなければならない刑罰を受けましたが、原発を推進する人々は何の刑罰を受けるのでしょうか。東電の平社員と関連会社社員は操作中に被曝しています。いつでも悲惨な目に遭うのは何も知らない底辺の人たちです。
 福島原発の20km圏から30km圏へ避難する老人たち・・・中性子線の怖さも放射能の怖さも知らないで、ただ言うなりに避難させられる人々・・・ガスマスクをした自衛隊員から測定器を当てられている姿を見ると、レイモンド・ブリックスの絵本「風が吹くとき」のおじいさんとおばあさんを思い出します。放射能の防ぎ方を政府から教えられて、それを守り、だんだん毛が抜けて、衰弱して死んでいく・・・読む者が愕然とするほど悲しい結末です。正確な情報を流さない政府、責任感も危機管理能力もない役人や東京電力・・・この国の醜い部分が行きつくところまで行ってしまっています。

原発

 新聞の全面広告で「原子力発電はクリーンなエネルギー」が強調されてきました。テレビもそういう宣伝を流していました。でも、そんなのは原発を造りたい人の大衆洗脳のようなものです。その証拠を挙げましょう。
 日本の火力発電は全体の48%しか稼動していません。水力の利用などまったく減ってしまいました。原子力発電は全体の40%。フル回転すれば火力だけでもまかなえるのに、何で原子力が必要なのか。温室効果ガスの二酸化炭素が敵だからです。「だから二酸化炭素を出さない原発のエネルギーが必要だ!」と言うのです。
 では、なぜ冬がこんなに寒いのでしょうか。温室効果ガスがそんなに邪魔をしているのでしょうか。整合性のある答えはないです。都市化で都市周辺が高温になっているのは電気を使った生活をするビルや家庭の気温上昇です。
 さらに原発は、休むことなく電気を作り続けます。昼も夜も。でも夜の需要は減るのです。そうなると過剰供給になるので「深夜電力の使用はお安くしますよ」と宣伝します。
 さらに作りたい人々には原発が危険きわまりないものだということが分っています。決して、東京や大阪の近くには作りません。辺鄙な貧しい県にばかり原発は作られています。原子炉数は56で、都道府県数より多いのですが、みんな田舎の貧しい県。原発を作るとそこの自治体には交付金が下りますから、首長はお金ほしさから原発を誘致するのです。「日本の技術は安全だ!」と宣伝して・・・・。ところが、1基のお金は十年くらいでなくなってしまいます。自治体は転がり込んだお金で予算規模を設定しますから、お金がなくなると予算規模を縮小しなくてはなりません。そこで2基目を作らせる。3期目を作らせるということで並んでいくわけです。その証拠に原発で原子炉が十個も二十個も並ぶところはありません。最大7個・・・なんと言っても原発の歴史はまだ五十年もないのですから。十回もお金をもらっている自治体はないので7号機までです。
 作りたい人々の目的は分りませんが、戦後最初に原子力関係機関を立ち上げたのは中曽根康弘元首相です。ウランはプルトニウムになり、備蓄されていますが・・・何のために? プルトニウムは原爆の原料です。ミサイルがなければ大陸間弾道弾は作れませんが、宇宙開発のためのロケットは先っぽを核弾頭に代えればたやすく核ミサイルになります。
 こういうことは、みんな本に書いてあります。その怖さも・・・テレビや新聞では怖さどころか逆のイメージしか与えられません。「安全でクリーンなエネルギーだ!」「人類の未来を開くロケット技術!」という。今日の時点で何もいえませんが、すでにスリーマイル島のレベルは越え、チェルノブイリに近づいているような怖さがあります。福島県が汚染されているのは確実。それがどのくらい広がるか・・・・宮城・茨城までか東京を越えるのか、日本の原発は、地震と津波の起こる場所にばかりあるのです。海水で水を冷却する沸騰水型が多いのですから・・・・。福井、新潟、いずれも地震の巣の上。東海大地震の真上には老朽化が指摘されている浜岡原発が稼動しています。
 今回の事故を教訓に原発停止の反対運動が起こらなかったら、子どもが甲状腺がんや白血病になることを黙認するだけの社会に平気な人たちということになるでしょう。
 東北の人たち、がんばって!
 それにしても、二万人に届く津波の犠牲者。被災した人たちを写した報道は胸がつぶれるようです。何かできないものか・・・今回のことでやれることは何か。
 買占めはやめよう・・・・日本人はこういう危機に対してわけのわからない買占めをする人種です。社会混乱の元です。
 献血・・・・かなり不足すると思います。200CCでもいいです。できる人が献血する。
 寄付・・・・1000円でも2000円でも、とにかく救援物資が届けられれば
 運動・・・・原発の反対意識を高める       それぞれの人が出来る範囲で応援していきたいものです。
 考えても見てください。私は、悲惨な状態にじっと耐えている人々を見ると何もしないでいるわけにはいかないでしょう。日本では、これほどの大混乱が起きても、誰も列の横入りをするわけでもなく、整然と順番を待っています。配給が少なくても怒る人はいません。何よりここでは「略奪」ひとつなく、「自警団」ひとつ不要なのです。この美しいものを同じ国の人間として支えたいと思います。



(2011年3月14日 特設記事・全部閲覧)



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