ブロッター

ブログとツイッターを混ぜて、さらに異論、反論、オブジェクションで固めたものです。で、ブロッターというわけです。毎日書く暇も能力もないので、不定期のコメントです。

2026/春 comment
ブロッター1  朝ドラなどほとんど見たことがなかったが、初回でセツ役のヒロイン・石ひかりの笑顔に引き込まれて最後まで観てしまった(笑)。
 でも話は、明治維新で没落した士族の周辺のことだ。さぞ大変な生活だったと思うが、ドラマは、コミカルな運びで、悲壮感をもって辛い人生を描くものではなった。かなり史実とリンクしている筋立てだが、展開はなかなかおもしろい仕立てだった。
 私がラフカディオ・ハーンを最初に知ったのは少年時代の英語教科書だったと思うが、Mujinaが載っていた。その当時はただ外国人が書いた日本の怪談という認識しかなかったが、この本を読んで、背景がわかり、維新で家格を失った武家の大変さと、それでも落ちて行かない武士の血の強さをあらためて知ることになった。
 ハーンが求めていた「美しい日本」は江戸期のもので、彼の来日時には薄れかけ、失われつつあった。それでも庶民の底辺ではまだ江戸期の気概や行動パターンが残ってたようだ。幕末から明治初期に来た外国人は、日本人の気質の美しさにみんな驚嘆している。ハーンも最後の方の一人だったと思われる。貧しく、ろくに学問もできなかったセツが耳で覚えた怪談をハーンに伝えることができたのも武家の心だったと思う。
ブロッター2  改憲論争が、かまびすしい。とはいえ政治家も大衆もかなり言語能力が落ちてきていて、憲法の条文が読めるのかどうか疑問の時代になった。おそらく上記の「かまびすしい」の意味もわからん高学歴の政治家も多いことだろう。当然、憲法をしっかり読む力はなく、意味もわからない人も多いことだろう。
 実際、法律の文章は漢語が多く、権威は感じるがわかりやすい条文は多くない。高校のときに前文や冒頭や99条、98条などの文を暗記させられたが、かなりわかりにくい文章だったことを思い出す。
 要は、どういうことが述べられているかがわかればいいわけで、この井上ひさしのようなわかりやすい要約で、まずどういう法律か、どのような趣旨で書かれているかを知る必要がある。
 タイトルにもあるように「子どもに伝える」ことができる憲法の本なら大人なら、容易に主旨が理解できるだろうし、理念もわかることだろう。そういう基本を把握したのちに原文に向かうのは適切なことだと思う。そうすれば憲法は為政者の傲慢を縛るものだということもわかってくる。憲法の規定で議員になった政治屋が、その憲法をこわそうというのだから本末転倒である。そのへんもわかってくる。
ブロッター3  上記の憲法と同じく、芥川龍之介の子供向け三部作の原文は旧仮名遣い、旧漢字で、ある意味読みづらく、わかりにくかった。しかし、最近刊行の本は口語体、現代口調に書き換えたものも多くなり、このレベルなら小学校高学年、あるいは中学生でじゅうぶん読めると思われる。
 「蜘蛛の糸」といい、「トロッコ」といい、人間の値打ちや心情が描かれる中でも、三部作で一番長編の「杜子春」は生き方まで明示してくれる。
 人はとかく目先の欲、金や物に魅かれ、生きる方向を見失って奈落に落ち込むことがある。幸福とは何か、どのように生きれば人間社会の欲の罠にハマらないかが劇的な展開の中で語られるというわけ。
 金と物と食い物・・・刹那的な娯楽や付き合いが人生の目的かのようにまっとうに生きることを考えずに杜子春は進んでいくが、幻術でつくられた世界で、父母と出会い、やがて考え方が変わる。人が生きて死ぬまではさまざまな欲や不思議な体験があるわけだが、やがてふつうに生きることが大切だと暗示される。
 さて、われわれ現代人は、そういう仙人のような人から教えをもらえるのか、それとも欲にまみれて、何も考えずに死ぬのか・・・子どもでも、こういう本を読めば、少しは考えることもできるね。
   

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