ブロッター

ブログとツイッターを混ぜて、さらに異論、反論、オブジェクションで固めたものです。で、ブロッターというわけです。毎日書く暇も能力もないので、不定期のコメントです。

2019/秋 comment
ブロッター1  なんか終わりの始まりという気がしてきた。今年2019年のベストセラーの1〜3位は1,2位が漫画・「鬼滅の刃」、3位がニンテンドーの「あつまれどうぶつの森」というテレビゲーム攻略本だ。小中学生だけを対象に読書調査をしたのではない。大人本も含めての、とにかく出版書籍全部を対象にした統計結果である。
 20位までには乃木坂の写真集、アナウンサー田中みな実の写真集などが顔を並べ、読み物らしきものが見当たらない。「ポケットモンスターソード・シールド公式ガイドブック完全ストーリー攻略+ガラル図鑑」なんてバカ長い攻略本があるかと思うと、新興宗教の信者しか買わないだろう教祖著作本「鋼鉄の法」などというものも入っている。
 一冊も小説がない。どういう時代になってしまったんだろう。急速に・・・。もはや、この状態ではヘルマンヘッセが薦める本などだれも読めない、読まないという時代が来ることは自明の理だ。いやな自明の理であるが、ここまで知性が落ちてしまったのはテレビとネットの影響だろう。嘆かわしいが、行きつくところまで行きそうだ。
ブロッター2  若いころ読んだときは、ただのSF未来世界のおはなしかと思っていた。自由は漠然とだが感じていたし、監視されているとは思えない日常だった。1970年代というのはそんなものだろう。14年後に1984年が来て、この物語のような完全監視社会になって、そこを生きるなどというのは荒唐無稽な妄想にしか思えなかった。
 ところが、それから40年もすると監視だけでなく、人々が自ら管理社会に盲従し始めた状態さえ見えてきた。いわく「民主主義だとか自由だとか唱えても実現などするはずもない理想か夢。それなら管理され、束縛されても従順になって楽しく生きた方がいい」という若者の出現には、心底おどろいた。もう一度早川書房刊の新訳を読んでみようと思った。トランプ政権誕生で再びベストセラー・・・この本がベストセラーというのは日本ではあるまい。従順な若者が、こんな本を読むわけがない・さて、現政権・・・どんどん管理を強めている。どうする日本人。おまえら、この本も読んでないから身構えもできないぞ。
ブロッター3  中国の武漢からcovid19という感染力の高いウイルスが広がり始めたというニュースが流れる。文明や一時代の終わりは戦争ばかりではなく疫病も起こるということか。これまでの社会システムや国家構造を大きく変える戦争や疫病・・・人間が欲で膨らましてきたものが終わりを告げるときが必ず来る。これまでにも何度もあり、これからも何度もあるだろう。
 大昔に読んだSFで「アンドロメダ病原体」というものがあった。映画にもなった。しかし、ネットの時代には忘れ去れているが、データとしては残っている。宇宙から病原体を採取してきた衛星から道の病原菌が広がり、人々の血液が凝固して死んでいくという恐ろしい話だ。科学の行きついた果てにもたらされた未知の病原体。偶然にも赤ん坊と酒飲みの老人だけがどういうわけか生き残る。生存するための要素は何か・・・・思わぬ結論にびっくりするが、SFとは夢想や仮定だけではなく起こりうる現実をはるか昔に提示するからスゴイ。
   

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