ブッククラブニュース
令和7年
6月号(発達年齢ブッククラブ)
2025年・6、7月の予定
定休日は日曜、月曜、祭日です。
6月は祝祭日がないので日曜・月曜が休みです。
7月は21日が休業ですが月曜なのでふつうの休業。
休業日・時間外受け取りは事前にお電話ください。
外出していないかぎりOKです。当日の連絡ではなく事前連絡を!。
★営業時間は午前10時30分〜午後6時30分(夏時間)
受け取りの方で午後6時30分以降に来る方は電話かピンポンで呼び出してください。
なにしろゆめやは零細商店ですので「昭和」の感覚でお出かけください。
たいてい在店していますので店を開けます。休業日は買い物に出かけているときもありますが・・・。
お願い・メール送信の際には
●LINEやスマホ電話の慣れから、送信者名が表示されると思われている方もいると思いますが、ゆめやのPCでは前のメールを検索しないとお名前が出てきません。手間がかかります。電話は古い家電ですので、まったく何も表示が出ません。電話ではお所とお名前を先にお願いします。
●メールではご面倒でもお名前を(できれば)フルネームで、どこかにお書き添えください。
旧姓でアドレスネームが来てもわかりませんので、文尾に新姓で書いてくださるとわかります。よろしくお願い申し上げます。新聞・入金確認ハガキなど紙文書は必ず出してお渡ししますので、ご安心を。
あんぱん
お酒、たばこ、バクチをやらないゆめやのおじいさんは、何と言っても甘いものが好きで、おすしを食べた後でもケーキでもチョコでもあんみつでも何でも食べます。パンも洒落た最近のパンより昔ながらのジャムパン、レモンパン、アンパンのほうが好きで、できればたくさんジャムがついているもの、アンコがたくさん入っているものを好みます。
これは、思い出してみると、小学校のころの給食のパンが、ほんとうに固くてマズイもので、マーガリンがついていればいいほう。たいていは何もついていず、おかずとパンをいっしょに食べるという最低のものでした。だから、中身がたっぷりのジャムパンやアンパンが憧れになってしまったというわけです。
子どもの頃は、パンひとつを毎日、買えないほどおこづかいも少なかったので、少しお金をもらうとアンパン、ジャムパンを買ったものです。ひとつだけを味わって食べるのですから、なおさらおいしいものとなりました。
朝ドラ「あんぱん」
最近「アンパンマン」を描いたやなせたかしさんの奥さんが主役の「あんぱん」という朝ドラが人気らしいですね。
NHK朝ドラは題名に「ん」がつくものがヒットするらしく、記憶をたどれば「おはなはん」「おしん」から「あまちゃん」「花子とアン」・・・最近では「おちょやん」「らんまん」と人気があったようです。「あんぱん」もヒットするかもですよ食べ物だし。でも、食べ物でも「ん」がついてない「おむすび」は不作だったようです(笑)が・・・・。ジャムパン、アンパン好きの私としては「あんぱん」は観たい気もするのですが、朝は起きられない、再放送の時間は店の仕事、というわけで朝ドラは観られないのです。だいたいテレビを見る時間もないのです。働き詰めの零細商店(泣)・・・つらいです。
「アンパンマン」は・・・漫画・TVドラマでは大ヒット。絵本もあるのですが、残念ながら最初からゆめやの選書には入りませんでした。勧善懲悪・自己犠牲が主な内容のようですが、いまいち深みがないと思ったからかもしれません。
これについて、ある講演会で話したことがあります。・・・・「バイキンマンをやっつけるのはいいが、バイキンがいなければ世の中は死骸の山になり、腐敗菌も重要な役割。それを同じ仲間のイースト菌でできているアンパンマンが懲らしめるのはどういうものだろうか。」と言いました。すると、出版していたフレーベル館の女性編集者が色をなして怒り、甘々(笑)の反論がきたのが、とてもおもしろかったです。勧善懲悪の物語はなんだかカッコはよくてスッキリしますが、水戸黄門を見れば分かるようにワンパターンの勧善懲悪は「なんだかなぁ?」という面が多くあります。自己犠牲も同じ・・・最後は特攻隊になる?のですからね。カッコいいが悲惨です。そういう問題が深みにあるので、自己犠牲・勧善懲悪はありきたりな感じがしたからです。
そりゃあ朝ドラは、テクニックを駆使して、美しく感動的にドラマを作ります。でも、こと戦争が背景にあると、そうそう端的な表現でごまかせないというのは私の評価なんです。
「アンパンマン」が出ていなかったときのこと
そうそう、まだ「アンパンマン」がTV放映されず、本として眠っていたときのことですが・・・。一度だけ、やなせたかしさんと会ったことがあります。もう40年以上前のことです。サンリオの社長室でした。辻信太郎社長は子どものころからのつながりがあったのでなので、招かれれば行かねばなりません。小さな絵本屋を助けてくれるのですから。
安い掛け率で、社長の自著2作と出版部の人気作を売るように言われて行ったときのことでしたが、辻社長としては、まあ、小さな小さな絵本専門店をなんらかの形で援助しようというはからいで、呼んでくれたと思います。たいへん助かりました。
やなせさんは詩の雑誌の編集をしていて、サンリオの社長に、「雑誌『詩とメルヘン』の売れ行きが落ちているので資金的に援助問題で!」などというような相談に来ていました。横で聞いていただけですが、なにしろやなせさん自身を知りませんでしたからね。社長とは前々から交流があったようです。私と同じようにきっと助けてあげたのでしょう。
話を聞いていただけですが、かなり後でアンパンマンのやなせさんだということがわかりました。アンパンマンがヒットしたときにお顔がテレビや雑誌に出ましたからね。彼も大変な時代があったということを、私は記憶の中で確認できたというわけです。ゆめやは・・・ずーっと大変でしたが(笑)。
戦争の暗い影を持つアンパンマン
その後、やなせさんは知っての通り大ヒット作家になったわけですが、今年(2025年)の岩波書店月刊誌「図書」の4月号で、漫画家のちばてつやさんが、ひじょうに深い観察力でやなせたかしさんについて書いているのを読みました。悲惨な戦争体験から「生きているみんなを応援したい」人だということもわかってきました。「頭の良い弟が戦争で死んで、僕(やなせさん)が生き残ってしまった」とちばさんに言ったそうです。
まあ、いずこも悲しい体験をした時代の中でやなせ家も悲惨な体験がいくつもあったのでしょう。青年時代から老年までの貧しさ・・・それでも詩や散文、絵を描き続けた生き方はすてきですね。
そこから弱い者を助けるのが正義、与えた優しさは返ってくる、ということを表現したようです。やはり、悲しい体験、苦しい生活を経験しないと、他人の悲しみ、弱さを救えないのではないでしょう。こういうことは、いまの、どうしようもない政治家たちに、アンパンマンの考えを教え込みたいですね。下層階級では御飯もろくにたべられない子どもがいる。食べて行かれなくて赤ん坊を巻き添えに一家心中する。これは政治の責任なんです。(ニュース一部閲覧)
いま、伝えていかないと・・・
最近、いろいろなところでさみしい話を聞く。たとえば、ある子ども園では保育士さんの多くが一般的な昔話である「一寸法師」や「浦島太郎」を知らない! 読み聞かせ会の親たちが昔から歌われている「わらべうた」や「童謡」を知らないという話だ。同世代の親もきっとそういう傾向があるはずである。これは、無知というより無意味な情報ばかり追いかけ、グローバリズムが行き過ぎた結果と考えざるをえない。そうなると、頭の中では、人生に密着した歌も自然風景も消えてしまう。
もちろん、昔より良い文化、新しい考え方の元になる言葉が入ってきているなら、しかたがない。しかし、流行にすぎないもの、目新しいだけのものが「価値があるもの」として集められていたら、これは、ちょっと問題だ。
なぜなら、文化は昔から伝えられてきたもので、伝わらなくなったら消えるだけだからだ。共通性を示す文化は、生活に密着した「言葉」であり、「話」であり、周囲の自然や生活風景と切り離せないものだからだ。
考えてみれば、娘たちを連れてホタルを見に行ったときも、この歌を歌った。ところが、その娘もまた自分の子どもたちに、この歌を歌う。「歌や知識の伝達で、生活行動が無意識のうちに伝わっていくんだなぁ!」といまさらながら思った。しかし、もちろん、「伝えれば」の話で、断絶させたら、そこで途切れることは当然だ。自然環境が宅地化でなくなればダメだが、歌も物語もこの国で生まれたわけで調べれば風土までわかってくるというものだ。
例えば、西日本のホタルと東日本のホタルでは点滅の回数が違う。東日本は4秒に一回、西日本は2秒に一回。西日本のホタルはせっかちな光り方をする。しかも、この点滅回数は糸魚川―静岡線を境にはっきりと「回数分かれ」が起きている。では、私の見ていたホタルは何秒に一回なのか?時間を計ってみると、たしかに3〜4秒に1回だ。2秒で点滅のホタルはいない。調べると、糸魚川―静岡線付近のホタルは「東日本と西日本の境だから3秒の点滅」とある。これはスゴイ話だ。どこかで遺伝子がずっと伝わってきているのだろう。西日本人と東北人の違いも、もしかすると蛍の点滅回数と同じように大きな違いがあるはずである。
ゆめやの会員が西日本が少ないのはどうもこの点滅回数と関係があるのかもしれない。
伝えるものはある・・・
例えば、六月には、ゆめやの近くの川辺でもホタルが飛ぶ。以前はたくさん飛んでいたが、最近は田んぼが売られて家がたくさん建ったので、だんだん飛ぶ数が減った。それでも夜、川に架かった小さな橋から下を見ると、蛍光色の小さな点滅が動いている。それでも、月のない曇った夜、雨が降りそうな晩は、減ったとはいえホタルが飛ぶ。
そんな暗闇でホタルを見ていると、子どものころ、・・・・・
「♪ ホ、ホ、ホタル来い・・・あっちの水は苦いぞ・・・こっちの水は甘いぞ・・・」と歌いながらホタルを追いかけていたころを思い出す。小学低学年か中学年だったが、その年齢では、もう「水に甘いも苦いもない」し、「いくら呼んでもホタルが飛んでは来ない」とわかっていた。それでも、幼い時に覚えた歌は、ついつい口から出る。
文化を伝えることはできるか
日本人は、便利な方に行ったり、楽な方に行ったり、・・・本来のものなど忘れて流行るものについていく習性がある。世の中の流れに弱い。「柔軟性がある」と言えば言えるが、「節操がない」とも言える。
いまは共通なことを知る時代だと思う。次の世代の子どもに伝えるものがなければ共通性は消える。忙しいだけの生活では、人生などあっと言う間に終わってしまうだろう。お米がなぜ足りないかを親が子に伝えれば、子どもは考える。蛍の減少と減反の関係がわかる子も出る。米不足のカラクリを見抜く子も出てくるだろう。
なんだかんだと理屈をつけて親子の接触時間を短くせず、もっと何かを伝えないと・・・大変なことになるのではないか。百年の寿命を持っても、何も伝えなければ、その百年はゼロ年に等しい。せめて子どもが巣立っていくまでの18年間・・・濃密な接触をして何か伝えたいものである。
ブッククラブの配本について
②生後10ケ月から(文明人への出発点)
前回、ヒトが直立して歩行でき始める時期が生後10ケ月くらいからといいました。この10ケ月がやっと四足歩行の哺乳類からヒトへの変化の目安の時期です。もちろん個人差はあります。9ケ月の子もいれば、1歳3ケ月で歩行が始まる子もいます。
直立歩行の先が考えて行かなければならないことでしょう。不思議なことに、この時期、子どもは触ったり、なめたりする「物の確認」から物ではないもの(絵や歌、言葉など)に目や耳の力を使って確認し始めます。まるでヒトが文明を作り始める時期のように・・・・。
世の中にはさまざまな子育て論や教育論が満ち溢れていますが、多くが能力を高めることに特化したもので、バランスの取れたものが見当たらないように思います。アインシュタインやモーツアルト、あるいは伊藤博文や野口英世などをイメージした子育て・・・こんな人たちを目標にした子育てなど子どもにとっては辛いものになるでしょう。そこまで行かなくても、社会的に上位になるように、大きな資産家になるように、という目標を持たれてはつらいものがありますね。
でも、とかく一般人の子育ては、社会が評価する人を目指すものが多いようです。
これは子ども親も大変で成功の確率も10%もないのですから、もっと人間性ゆたかな大人を目指す子育てがあってもいいのではないでしょうか。
お金があるとふんだんに子育てに使いますが、お金で学位が取れても人格や精神性、意欲は買えませんよ。バランスの取れた良い人格は別の方法で生まれます。
文明人になる・・・とは
文明にもいろいろあります。数学的能力のすごく高いアズテカなどは天文学、高度な数学を持っていて、高い文明を持ちましたが、たった数百人のスペイン人に滅ぼされてしまいます。宗教が原始的で、戦闘能力もなかったからでしょう。文字もあいまいな図形文字で、文学が生まれませんでした。かんたんにいえば数学オタクの文明です。
バランスの取れた文明は、高度な宗教(おまじないとかお祈りだけではない、きちんとした考えを持つ)や哲学的な考えのある知性、それと、攻められても跳ね返す戦闘的な組織を持っています。もちろん、文字も必須で、考えを表現できる力も文字を通して高めていきます。古代ならエジプトや中国、近代では欧州やインドなどがバランスの取れた要素があるかもしれません。もちろん完全ではなく、無理をすると間違った方向に行きますが・・・・。
これらの要素を人に置き換えると、人格と思想、それに体力です。人に対してうまく接する性格、粗悪なことに惑わされない考え、若くして死なない健康な体・・・が理想というわけです。人類が(まだ達成はしていませんが)目標とする文明が、こういう要素を必要とするなら、一個人である・・・・子どもが目指すものもこういうものだと考えておくことでしょう。それを家庭生活の中で学んでいく第一歩が「直立歩行」を始めた赤ちゃんというわけです。赤ちゃんが一人でやれることではないので環境が必要です。もちろん、親の資質が大きな影響を与えます。まともな親の価値観と家庭環境がなにより必要なことになるでしょうね。(つづく)
読み聞かせのヒント
②1歳半くらいまで
ブッククラブ配本では前回も述べたように上に述べたように月齢に応じた配本をしています。1歳から1歳後半までは発達の速度(認識力の高さ)が急激です。すべて真似から始まりますが、その月齢に応じたものを丁寧に与えていくことでしょう。歌は気持ちを和らげたり気分を高めたりするので、歌ってあげるのが最適な与え方ですから、ことあるごとに歌ってください。
次は動作に関連した絵本が入ります。例えば1歳前後の「おつむてんてん」のような動作絵本は動作を真似ることを繰り返す楽しさがあります。たとえば、「こぐまちゃんいたいいたい」は、歩き始めた子が転んで痛かったり、落っこちて痛かったりしたことの再認識の本です。まだセンテンスの長い本は対応しませんので、1歳半までは、感覚を楽しむ本、流れを楽しむ本などが順次配本されます。大量にあれもこれも与えると、目移りがして、それに集中して内容を確保できなくなるので、毎月配本を何度も読み聞かせることで十分でしょう。弟妹配本をされている方がブッククラブでは多いのですが、なるべく月齢に合った本を読み聞かせてください。関心がどこにでも向くのが低年齢児ですので、平気で5,6歳の本も気を向けます。上の本は箱にでも入れて順次与えていくがお薦めです。むずかしいでしょうが・・・・把握する力が大きいので何でも見たがるでしょうが、やはり丁寧な、その時期の読み聞かせが大切ですね。配本は個別に月齢に沿って組まれています。順次、その月の配本を読み聞かせれば、自然に物語絵本に到達しますよ。
発送会員の方へ
ニュースを2ケ月まとめて送付ということがあります。
封筒・文書用紙・印刷用紙など通信に必要なものの価格が約1.5倍に。さらにひどいのは郵便代の値上げ。ハガキ、封書を通信に使うゆめやにはたまらないものがありますが会費・通信費などの値上げはよほどの高騰がない限りしないつもりです。開店以来44年間、すべての経費を一度も値上げをしなかったので、かなりキツイのですが、ここはなんとか踏ん張ります。どこまでできるかですが・・・・。
書籍の利益はひじょうに少ないので大変です。皆様にご迷惑がかからぬように工夫で乗り切るよりありません。このため2ケ月分ニュース・新聞をまとめて送ることや個別通信も同封することにしました。毎月、欲しい方はご連絡をお願いします。
振替・振り込みのお礼をハガキで行ってましたが、そのハガキは翌月のニュース・新聞に同封します。日本郵便が6月からまた何か値上げを考えているようです。
●ですから、配本代の振替・振込は、できるかぎりお届け1ケ月以内にお支払いください。そうしないと返信が遅くなります。これまでは請求督促をハガキで出していましたが、お支払いが遅くなった場合は督促代を加算します。ご注意ください。
●振り込みの方は、振り込んだことをメールでお知らせくだされば確認は返信で連絡します。
すべてこれまでの政治の悪影響。国がすべきことをしないようにした郵政改革はしてはならないことでしたね。
アメリカが郵政民営化をしろと圧力を受けて小泉劇場が民営化を行いました。郵政労組が小泉選挙を応援しなかった私怨のようなものですが、当のアメリカは郵便は国営です。こういう公共事業は採算ではなく国民への福祉ですから利益や採算を考える組織ではうまくいかないのです。これを見抜けなかった国民の頭の悪さも、今の状態をつくった原因のひとつでしょうね。(ニュース一部閲覧)
(2025年6月号ニュース・新聞本文一部閲覧)