ブッククラブニュース
令和6年
4月号(発達年齢ブッククラブ)
2024年3,4月の予定
定休日は日曜、月曜です。
5月、6月はGW 以後 祝祭日休業はありません。
休業日・時間外受け取りは事前にお電話ください。
外出していないかぎりOKです。また前日のご連絡なら在店します。
★通常日の営業時間は午前10時30分〜午後6時30分
受け取りの方で午後6時以降に来てしまった方は電話かピンポンで呼び出してください。たいてい在店していますので店を開けます。ご遠慮なく。たまに買いものに出かけているときもありますが・・・。
まずは遠慮なく。なにしろゆめやは企業(会社ではありません)零細商店ですので「昭和」の感覚でお出かけください。
なにはともあれ入学おめでとう
咲くのが遅かった桜が散るのは早く、近くの小学校の入学式の日は通学路に花びらがいっぱいでした。この時期の朝の風物詩ですが、大きなランドセルを背負って通う一年生の姿には思わず笑みが出てしまいます。さて会員のお子さんの中にも新一年生がいます。まずは入学おめでとうございます。
ただ、以前は店の前を真新しいランドセルを背負った一年生が毎日何人も通っていたのですが、最近はめっきり数が減りました。少子化が目に見えます。山梨は存続不可能な市町村が11自治体もあり、いかに人口が減り、高齢化が進んでいるか、です。
私は店でブッククラブのお子さんたちと会うことができますが、町の通り、公園、スーパーマーケット、どこも子どもの姿を見かけないことも多いです。大都会でもこの現象は顕著。これは、私よりはるかに若いみなさんの方が強く感じていることでしょう。
生活も世の中も急速に変わる・・・
サブカルチャーの横行で、本はいまや時代遅れのもの。そのうち学校でも図書館でも家庭でも読書といえばタブレットを広げて、スーッ、スーッと指を這わせる・・・そんな時代がやってきそうです。そういう平和が持てば、の話ですが・・・ま、かんたんに言えば、「時代が変わる」ということでしょう。デジタル化はどこまで行くのでしょう。
この十年で、書店が800店消え、売り場面積はさらに減少の一途。ただでさえ危機の児童書専門店はどこも風前の灯です。ゆめやはブッククラブの皆様のお蔭で何とか44年という長い歳月を乗り切ることができましたが、この次の十年は「ない」かな? 少子化の時代・・・サブカルチャー全盛の時代・・・新一年生たちが、どのような読書をして、どのような物に囲まれるか・・・変化は大きいです。
誰も、この悪しき傾向に文句を言いませんからね。文科行政も、この国の文化を壊すようなことばかりしてます。ここのところの歴代のw文科大臣が外国の宗教団体からお金をもらっているようですから、教育を壊す政策が行われているのが実態かもしれません(泣)。
ゆめやのブッククラブの方式は、開店以来、まったく変化をしていません。40年間、やり方がほとんど変わっていないのです。ネット通販とはちがい、本一冊売るのにけっこうの経費がかかります。当然、お客さまの店頭対応も40年前と同じ。交信で、遠方のお客様の顔もなんとか見えています。
さらに、当たり前のことながら、アニメ本やレベルの低い本は配本に入れません。もっとも、最近は若い親御さん自身が、アニメ、漫画育ちですから読み聞かせしたいという人は激減、幼児の会員は急速に大幅減になっています。これではゆめやも時代に取り残されるでしょうね。
思い出してみると・・・
思えば子どもの本の黄金期だった1970〜80年代、いい本がたくさん出版され、古典も含めて継続的に与えることができた時代もありました。それが世紀が変わると、だんだんできなくなってしまいました。昨年出た新刊がもう今年は手に入らないという目まぐるしさ…これでは、いつか配本プログラム自体が構成できなくなるのではないかとさえ感じています。
ゆめやが選書する本が絶版になるのは、そういう本の購買率が低いからでしょう。良い本ほど売れない世の中というわけです。
一方では、アニメやゲームで育った親も出てきています。こういう人々は、自分の子どもに0歳からスマホをいじらせ、ゲームを与えても危機感もない。2010年代はそういう状態でした。だから、かなり子どもの問題が出てきました。遊べない子ども、不登校の子・・・・行きつくところまで行って、また気が付いて元に戻る・のではまずいのですが・・今年入学の子たちが大人になるころ、住みやすい世の中になっていればいいのですが・・・ムリかなぁ?
本はすごい力を持っていると思うのだが
入学したお子さんは、まず学校で何を見つけるかという新しい体験が待ってます。ともだち、先生、学校のきまり・・・etc・・・とにかく、会話を間に挟んだ人間関係はとてもステキな結果を生むと思うのですよ。
良い本は良い人間関係も作るような気がしています。あとを人を見抜く力もね。良い人間関係を持つことができるというのは、人生ではとても重要なことのように思えます。親と子、子と友だち、子と周囲の大人・・・良い関係でないと生きづらくなりますからね。子どもの周囲の人々がガチャだったら悲しいものがありますものね。
これは本も同じです。心に響く本があれば、大丈夫。ガチャの本を読んで、それいに影響されないようにもしたいものです。
家庭で毎日の読み聞かせを五年も続けてきた方には言わなくてもきっとわかると思いますが、ほんとうに楽しい時間ですし、もっと子どもが大きくなっている方は、この時間が親子の「絆」を深めたことを実感していることでしょう。
私は昔から本の、そういう力を信じています。私たちは自分の意見や考えがオリジナルなものだと考えがちですが、じつは過去の本に書かれたものを読んでその内容を繰り返したり、真似したりして考えを作っているわけです。もちろん、その時々の情報で考えることもありますが、TV、漫画、インターネット・プログラミング学習などでまっとうな考えはつくれるでしょうか。
良い本と出会って読んで行くということは、「自分を振り返れる力をつくる」ということでもあります。現代の日本・・・まともな本を読んでこなかった為政者たちが、過去の過ちを振り返ることなく、イケイケドンドンになっていますよね。彼らは早晩、破綻するでしょう。そういう大人に新入学の子どもたちをしたくないですよね。それにしても、この国は何度失敗すれば気がすむのか! 国ならいいですが、個人が破綻するということは大変なこと。だから良い本を読むことは大事なんです。
周りはどうでもいいので・・・
本を読むにはエネルギーが要りますが、慣れればこれをほど楽しいものはありません。日本人の大人は参考になりません。読書が仕事の大学の先生でも本の影響力を伝えられる人は少ないです。まして小・中学校・高校の先生は一般人より本を読みません。だから、そういうのは無視して子どもは読んでいかねばならないのです。その第一歩が、六歳から七歳。読書は楽しいものにしたいです。ブッククラブでは、この新聞の表紙の新入学のお子さんが読んでいる「いちねんせい(左の写真)」から「読書」が始まります。ここから高度な本に進んでいく第一歩。どうか、がんばってください。
入学したあとで、学校図書館の本揃えや読書指導のヒドさに「おどろき桃の木」になる人もいるかもしれませんが、あわてず騒がず、良い読書へ入ってもらいたいものです。読み聞かせで会員のお子さんは充分に下地はできていますよ。たしかに周囲には脳内汚染の原因になるものが満ち溢れてはいますが、そんなものに目をとらわれず「考え」のもとになる読書へ進んでほしいと思います。
ろくに本も読まず、わずかな経験主義だけで仕切ろうとする老政治家や学歴や成績で人を評価する識者を踏みつぶして、生きていくのが次世代人の第一歩です。
はじめの一歩は大切ですよ。選書ではできるだけ、うまく読書が楽しめるようにバランスを工夫します。サブカルチャー全盛の時代ですが、それでも本はすぐれた頭を作る唯一無比の道具です。忙しいでしょうが、家庭でもじょじょに読書環境を整えてくださいね。とかくお稽古事、塾学習などで本を読む時間が取られるかもしれませんが、「こうしなければ!」と思えばできるものです。
本物になる秘訣。
一年生の最初の配本は谷川俊太郎の「いちねんせい」です。表紙のお子さんが読んでいる本。詩集です。「わるくち」「あいしてる」など面白い詩がありますので読んでみてください。なかでも私は「ぱん」という詩が好きです。
私は「ぱん」です 昔 私は小麦でした
お日様が輝いていました 青空が広がっていました
そよかぜが吹いていました バターを塗ってください
ハチミツをつけてください わたしを残さず食べてください わたしは「ぱん」です
大きく育つには良い環境と人格の高い人の影響、そして立派なパン(本)を食べないと(笑)心の健康がね。危ない。
ここから始まる物語・・・がんばってたくさん読んでください。
桜が咲きました、入園おめでとうございます
今年の春は遅いようで早くあっという間に桜が咲き、すぐに散って新緑になりました。いや、そしてすぐあとは万緑です。
で、それでも、この時期、まずは「入園おめでとうございます」でしょうね。ただ、世の中の変化でしょうか、0歳から入園している子も多くなり、特別、四月の入園式で「おめでとう」というのも感覚的にピタッと来ない時代になりました。なにもかもが早く、早くの時代・・・・あいまいなことが多くなると季節も人生のメリハリも薄くなっていきます。これが、将来、子どもに与える影響はどうなんでしょう。
お子さんは、園への出がけに「行きたくなーい!」と騒いでいますか? それとも、親がさみしくなるほどサッと通園してしまいますか? まあ、どちらも成長の証しですが・・・。子どもの成長速度は速く、大人の目をかすめてさーっと自立に向かいます。この意味では安心な変化です。親にとって不都合な態度・行動も子どもの成長のひとつです。
心配は子どもより、子どもの周囲
親の手から離れて世の中に出るときに親はなんとなく不安になりいろいろな心配をするものです。十年くらい前は、そんな不安をお母さんたちから聞かされたものです。こども園化されてからは、小さいうちから預けているのでそういう不安や心配はなくなったようですし、ゆめやの、ここ数年の変化は「お父さん」がお子さんを連れて配本を取りに来る例がものすごく多くなったことです。
これは、いいことですね。
お父さん方からは子どもへの不安とか心配の話は出ず、かといって周囲社会などの問題も話題にはしない人が多く、子どもとどう接するかつきあうかの体験談になります。だから、お母さん方の不安や心配の解消法は、ゆめやのおばあちゃんにまかせれば大丈夫です。不安や心配とは無縁な人で、不満もイライラもなく子どもを育てて来た肝玉おばあちゃんですから。ご安心を・・・・(笑)。
0歳のときから保育園に行っている子は、それほど心境の変化もなく登園していくでしょうが、3歳、4歳入園だと自我が出ますから緊張もあるでしょうし、親のほうもじれったさや不安も感じることでしょう。
もちろん、スーっと園生活に入れる子もいれば、なかなかなじめない子もいます。同じ環境で育てても「むずかしい子」と「すんなり行く子」の違いがあるのと同じです・・・同じように育てたはずなのに・・・と思いながら、親は戸惑います。でも成長してから考えると、そんなのは子どもの性質の違いのようなもので、あまり神経質になる必要がないのがふつうです。
子どもは、本来、自分の力で育っていくもの。もちろん、ある程度のガイドは必要ですが、あまりにも手をかけすぎ、心を砕きすぎると、子ども自身が、成長のための力を出せなくなってしまいますからね。
違う環境で生きられるために
違う環境に慣れていくというのは、人間が持たなければならない能力のひとつ。いつまでも親に保護されていたら、快い環境でしか生きられない人間になってしまいます。いますよね。テレビでは仲の良い母と高校生の息子の映像が流れますが、親がいつまでもフォローしてくれるなんてその子のためにはよくないことです。そんな若者、あるいは中年が・・・。自分の好きなことだけして、人との会話もできなくなる可能性も出てくるので親離れは必要不可欠です。我慢ができない、気分で行動する・・・・現代人には多い傾向ですが、これは親がきちんとしたことやしつけをしてこなくて、何でも自由にしていた結果でしょう。ひどい場合は、ゆがんだ人間になってしまうことになりかねません。そんな人間が引き起こす事件が最近、多いと思いませんか。中年にもなって貢いだ金を取り返せないので殺す、この間の東京の飲食店の身内を殺した犯人など。きっと被害者(親)もでたらめな生き方をしていたのでしょうが、犯人は、おそらく過保護、したいことしかしない、させない、やがて異常性格にと・・・ということでしょうか。
最近の親を殺したり、子を殺したりする犯罪の関係者の多くが、けっこう豊かな幼年時代を送っている人が多いのです。豊かな時代にモラルもシツケも礼儀も教わらなかったのでしょう。すぐに感情的になってやってはならないことを平気でする。怖いですね。生まれたばかりの赤ちゃんにスマホの動画を見せてあやしていると思っているバカ親もいますが、読み聞かせが大切と聞いて読み聞かせyoutubeを見せる親さえいます。ヒトの子どもは親や周囲の人と肉声で接し、温かい動作や心を感じて育つものなのですが・・・・。
ゆっくり、ゆっくり・・・・
園は、子どもがまず最初に社会性を養うところです。みんなと一緒に何かする、同じ時間に同じ場所で・・・「共同すること」を学ぶところです。極端に異常な行動をとったりしなければ、見守っているほうが効果的です。言ったからといって、すぐに実行できないのが幼児。まして0歳、1歳への強制は無意味。2歳以上は繰り返せばできるようになるので急がないことです。
最近、社会性がない子が増えてきているといいますが、それは、きまりを持つ家庭生活でなかったからでしょう。見ていると、「夕食を食べさせて入浴させて寝かせるだけ」という子育ても見受けられます。
12時間、こども園にあづけている親も多いのです。さらに大きくなると子どもの時間的余裕がなくなるほど過度なお稽古事、過密スケジュールの日常では、幼い子は親が絶対なので言うことを聞くでしょうが、やがて成長すれば「大きな反発」として戻ってきます。自我を固める思春期の反発はあった方がいいが、反発は小さい方がいいのですが・・・。
だまされたと思って、もっと遊ばせてみよう・・・
どこの園だって、分刻みでスケジュールが組まれているようなところはまずありません。先生がストップウォッチを持って、子どもの行動を管理するような園もないでしょう。過度な教え込みや極端な整列、挨拶を要求する軍隊のような学校もないと思います。いや、あったかな。「森友」なんて名前の(笑)・・・いまはないよね。
なかには早期教育に熱心な園もあるかもしれませんが、テキトーに付き合わないと大変です。幼児期は、ゆるやかに社会性をつけていく時期で、無理をすれば「成長の基礎」などブッ飛んでしまいますからね。そこまでは、しないほうがよい。
ただ、最近は「親のニーズがあるから・・・」ということで知識教育を塾なみに組み込む園や学校もあります。そういうところを選ぶのなら、これはもう親の「自己責任」。「早く、正確に」は、じょじょに身につけないと、どこかに歪みが出てくるものです。
「成績が伸びればいい」という最近の風潮は、やはり先行きの成長を考えると困ったものだと思いますよ。その結果の問題が小学校中学年の会員からいくつも寄せられてます。
いつも言うように、現代は多くのシステムが市場経済で動いているため、それに乗る企業は目玉になる宣伝をして消費者の気を引きます。この傾向は園(学校)も例外ではありません。子どもの知識教育に頭がシフトしてしまった親は、この宣伝「頭が良くなる」「こういうことができる」に目が奪われやすい。若い親たちの中には家庭外教育だけで成人してしまった人も多いので、自分の子を外部(園や学校、塾)依存することに抵抗がないのですが、それでは、これからの大変化の時代を切り抜けられるとは思えません。園や学校の目玉になっているモデルは、そういう能力のある子で、努力で築き上げた才能ではないと思われます。
子どもに必要なのは昔から想像力と創造力を与えること、これさえあれば大人になって人に頼ったり、反知性になったりはしません。子どもは遊ばせましょう。何が無くても子どもというのは自分の頭を使って遊ぶものなんです。遊びが想像力と創造力を生み出します。
今年度のニュース記事は
かなり世の中が同じ流れになっているので、今年度は、ゆめや流の思考で子どもの育ちについて述べていきます。パターン的な絵本ではなく、そのテーマや深い意味もシリーズで紹介。ゆめやの考え方の基本やプロセスも見ていただきたいと思ってます。もちろん、現代のこそだてや教育おかしな部分も合わせて考える材料にする記事も書きます。今月号、5月号は発行遅延で申し訳ありませんでした。なにしろ昔話の中のようなじいさん・ばあさんの仕事なのでネット通販のような速さはありません(苦笑)。(4月号ニュース一部閲覧)
(2024年4月号ニュース・新聞本文一部閲覧)