ブッククラブニュース
平成23年2月号(発達年齢ブッククラブ)

御礼を申し上げます

 ゆめやのブッククラブにNHKが実施いたしましたアンケートにお答えくださった会員の方々に放映番組のDVDが届いたことと思います。長文のアンケート内容に対して細かな記載をお願いしまして大変ご迷惑をおかけしました。でも、お送りした126名中、88名もの方々が詳細に御回答していただき、謹んでお礼を申し上げます。ありがとうございました。

「小さな絵本屋と4つの家族」

 さて、そのDVD(「小さな絵本屋と4つの家族」+「カワイイの冒険」)ですが、永年隠して来た私の顔がバレバレになってしまいました。容貌が不細工なものですから、なるべく顔は出さないで後姿のみで来たゆめやですが、これで遠方の皆様の目にも触れてしまい、弱っております(笑)。でも、登場した子どもたちのかわいらしい笑顔で中和されると思いますので、ここはひとつ我慢してくださいませ。
 この番組は2008年5月26日にNHK甲府で、同年6月8日にNHK・BSハイビジョンで、さらに同年8月4日にテレビ・ジャパンのNHK・WORLDで流されたものです。
 すでに顔がバレバレなので、内容について話せますが、「小さな絵本屋と4つの家族」は、ゆめやのブッククラブの会員の4家族の日常を追ったドキュメンタリーで、埼玉の鈴木さん一家、東京の田中さん一家、甲府の表さん一家、甲斐市の林さん一家が登場して生後十ヶ月から中学生までに広がるブッククラブ配本の状況がていねいに描かれています。でも、この4つの家族の風景ばかりではなく、いま1000名以上の会員の家庭、いえいえ、ゆめや30年の時間の中を通り過ぎていった会員の家庭では同じことが繰り返され、いまも繰り返されていると思います。また、テレビ・ジャパンで流された結果、外国の会員が増えて、外国在住のご家族がまた同じ風景をつくっておられることでしょう。これもまたブッククラブの新しい展開になっています。  この番組を制作してくださった柿本健一ディレクターに深く感謝いたします。

「ヤブさんと15000の動物画」

 また、昨年(2010年7月20日に)「カワイイの冒険」というスターウォーズのパロディ版のような細密画とキャラクターデザイン画の「戦争」を描いた番組がNHK総合で流されました。ここでも私は不細工な顔を出して、絵本の配達おじさんをやっておりましたが、この本編ともいうべき、シリアスな番組「ヤブさんと15000の動物画(2010年10月16日NHK甲府で放映)」が、今年2011年の1月30日にNHK・BSハイビジョンで全国に、また3日後の2月1日にはテレビ・ジャパンのNHKワールドプレミアムで放映されました。アメリカや中国、フィリピンなどの会員が見て、「見ました!」とメールをくれました。
 これらの番組に関わるアンケートに協力していただいた方々には、多方面にわたるご協力ありがとうございました。心より御礼申し上げます。とにかく、今回の「ヤブさんと〜」の番組はブッククラブ配本の原点である薮内正幸さんの絵についての評価を高くしていただいたものでもあります。十ヶ月から配本を開始した方々には必ず薮内さんの「どうぶつのおやこ」が入っていますよね。番組にも多くの方が関心をもっていただけてありがたい気持ちが湧いてきました。
 この番組を制作してくださった上田明子ディレクターに深く感謝いたします。(新聞編集部からの御礼)

飛び込ませるには

 甲府は近年にない寒い冬になりました。雪こそ降りませんが毎晩氷点下の夜、それもマイナス7度、8度・・・庭が凍りついていました。まだ凍り付いています。北国では素裸で海に飛び込む神事などが行われますが、寒がりやの私(暑がりでもあり、熱しやすく冷めやすい?)としては海に飛び込むなどまったくムリ。冷たい海どころか顔を洗うのも冷水は苦手です。
 タイタニックが氷山とぶつかったときに船員が乗客を海に飛び込ませようとするシーンがありますが、みんな逃げ惑うばかりで飛び込みませんよね。そりゃそうです。氷山が浮かぶような冷たい海に飛び込むなんて、ね。私なら沈んでしまっても船に残ることを選ぶでしょう。
 でも、これに関連して、おもしろいジョークがありますのでご紹介します。

民族別HOW TO

 民族別「海に飛び込ませる方法」というものです。どこの国の乗客かを見て、声のかけ方を変えるというもの。客がアメリカ人なら「ここで飛び込めばヒーローになれますよ!」。イタリア人なら「飛び込めば女性にモテますよ!」、ドイツ人には「理屈で言えばここで飛び込むところ。」イギリス人なら当然「紳士淑女なら飛び込むことになりますがね。」フランス人には「飛び込むことが知的でもあり芸術的でもある!」・・・たしかに、なんとなく国民性を言い得て妙です。
 では、客が日本人のばあいはどうか・・・それには絶好の言葉があるそうです。
 「みんな飛び込んでますよ。」・・・なるほど、こう言われたら日本人の多くは飛び込むことでしょうね。
ショッピング
 この意識を利用した商売が最近横行し始めました。テレビショッピングやネットショッピングです。「みんな買っている」と宣伝する。買われている数が正しいかどうか分からないのですが、「みんな買っているなら安心」という意識をくすぐって実際に購買数が増えるのです。

無責任な報道

 メディアは無責任に「数」を報道します。売る側の発表を鵜呑みにして、検証もしないで報道するわけですからね。「ハリーポッター」はシリーズFまでで累計2360万部売れたといいます。ほんとかどうか確かめようもないのですが・・・。村上春樹の「1Q84」は、一週間で100万部売れたと報道されましたが、印刷所が刷った数や流通した数、売り上げ部数のカウントはないです。水嶋ヒロの「KAGEROU」42万部も同じ。入場者数を水増しして発表していたサッカー競技場もあり、新人プレヤーを見に寒空に一万人というのも眉にツバをつけたくなる数字です。
 で、先日、新聞広告欄を見ていたらシリーズ@Aで何と「1200万部突破」というのがありました(カット参照)。信じられませんよね。この数字。十人に一冊買っている計算です。たしかにNHKでドラマ化された原作本なんだけれど、そんなにヒットしたドラマじゃないし・・・読書好きの仲間が何人もいますが、一人も話題になんかしてません。これは「1Q84」も「KAGEROU」も同じ。なんだかうまく「みんな買ってますよ!」「買わないと日本人じゃないですよ!」と言われているようで怖いです。
 もっと怖いことも・・・でも、このくらいでビビってちゃいけません。そのうち、戦争なんか始まってね。「この戦争に賛成しているのは国民の99%です。」「みんな兵役に志願してます。」なんてことになったら、ホントに怖いです。そのための訓練?まさかですよね。でも、日本人は「みんな飛び込んでいたら」飛び込むんだろうなぁ・・・。(ニュース本文一部閲覧)

白旗を掲げて

 さて、この新聞のサイクルは年度で回るので、この年度もあとちょっとで終わり。シリーズで書いてきたことも今月か来月で最終回になる。で、今年度を振り返って見て一言で感想を言うと「サブカルの浸透を防ぎきれない」という溜息になってしまった。これまでサブカルチャーについての警戒をかなり長い間述べてきたが、もう至るところでアニメもゲームもマンガもサブカル本も・・・そりゃあ凄い勢いで市場を占め始めて、家庭に入り込むのを防ぐというのはもはや無理というもの。テレビも「おバカ番組」を垂れ流し続けているし、これはもうかなりマズい。
 一昨年の五月の記事でサブカルとの「最後の戦い」を書いたのだけれども、とても、世の中の流れに勝てるわけはなく、ついに現実には白旗を揚げざるをえなくなった。
 ケータイも多機能化してそこからどんどんサブカルが入って来る。スマートフォン、i-padなどになれば、その中で自由に動き回るのがサブカルチャーだから、こういうものも「便利」を建前に家庭の中に入って来て、もう防ぎきれないというわけだ。アナログは追いやられ、デジタルが支配する。人の心もデジタルになっていくだろう。ま、心が壊れるわけだ。そのスピードがすざましいもので、じつはついていかれない。おそらく、多くの人がついていかれなくて、でも何となく雰囲気で、そういうものをいい加減に生活の中に入れてしまっている。
  こういう状況下では、なんの吟味も検証もなく、電子黒板でも電子教科書でもアニメ、ゲーム的展開は当たり前のものになるだろう。人間の心の壊れなどどうでもよくなっているから、多くは「売れれば何でもよい」ということで無差別になる。私のような考え方は「便利さを認めない変わり者の思想」として無視されていくことだろう。日本では「みんなが認めるもの」は良いものなのだから・・・・・。
 サブカルとの最後の戦いは「白旗を揚げる(降参する)」ということで終わるのだが、実際には、「マンガやアニメのどこが悪いの?」「何でゆめやは、そんなにサブカルを嫌うの?」という声も聞こえて来る。でもねぇ。便利さの裏で暗黒の世界が生まれ、悲惨なことも起きているわけで、「この滅茶苦茶な便利さの行きつくところは大変だ」ということが、その人たちにはわからない。
 しかし、Z旗も掲げる
 では、白旗掲げて降参してどうするか。私は頑固だから個人的には言い続ける。この国はダメになってもいいが、子どもたちをダメにしたり、我々自身もダメになりたくないからだ。じゃあ、次には何の旗を揚げる? 白旗を揚げたあとは、Z旗でも揚げようか。日露戦争の時に東郷平八郎が「後がない」という意味からZ字の模様の旗を揚げた。たしかに、もう後がない。

 だから、強敵に向かうには、この旗がいいかもしれない。「坂の上の雲」によれば、文学に通じた主人公・秋山真之が「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」という意味をこめた。
 ゆめやの戦いは後に続く者が少ない淋しい戦いでもあるが、もし、(なるべくでいいですし、強制など)アニメや芸能、ゲームやマンガを避けるお気持ちがある方がいたら「子育ての興廃この一戦にあり、各会員一層奮励努力せよ」を意味するこのZ旗を、これからも掲げ続けたいです。育てた結果、「こんな人間にするつもりはなかったのに!」という人を減らすためにも・・・。(新聞本文一部閲覧)



(2011年2月号ニュース・新聞本文一部閲覧)



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